5月中旬。
京都市伏見区の与杼神社(よどじんじゃ)に参拝しました。
与杼神社には、4月に桜を見に来て以来になります。
日ごろから参拝者が少なめの神社ですが、ゴールデンウィークが過ぎると、さらに閑散とします。
曇りの日の与杼神社
与杼神社には、京阪電車の淀駅から南に徒歩約3分で到着します。
鳥居をくぐり、石畳の参道を進むと、正面に2本のイチョウが植えられています。
冬は、全く葉がないイチョウですが、今はすっかり緑色の葉を付けています。
この日は、曇り空であまり見栄えが良くありませんでしたが、初夏を感じられる姿になっています。
秋の黄葉したイチョウもきれいですよ。
参道を進み、イチョウを過ぎると左側に手水舎があります。
そして、右側には、3基の神輿(みこし)を保管している神輿庫が建っています。
与杼神社では、10月30日から11月3日に秋季大祭が催され、その時に神輿渡御が行われますよ。
境内では、サツキの花もちらほらと咲き始めていました。
サツキも初夏を感じさせてくれる花ですが、咲き始めると梅雨が近づいているなと感じますね。
特にこの日のように雨が降り出しそうな曇り空だと、なおさらです。
境内の中央に建つ拝殿。
与杼神社の拝殿は、国の重要文化財に指定されています。
平成28年(2016年)に杮葺きの改修工事が行われています。
拝殿の前には、松が植えられていますが、幹が斜めに伸びていますね。
松は、右が横に伸びたりして不思議な木です。
ちなみに西京区の善峯寺の遊龍の松は、横に長く伸びており、天然記念物に指定されていますよ。
拝殿の後ろに建つ本殿にお参りをしましょう。
祭神は、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、高皇産霊神(たかみむすびのかみ)、速秋津姫命(はやあきつひめのみこと)です。
与杼神社は、応和年間(961-963年)に僧の千観内供(せんかんないぐ)が、肥前国(佐賀県)河上村の淀大明神を勧請(かんじょう)したのが始まりと伝えられています。
当初は、水垂町に祀られ、桂川の水上運輸の守護神として人々から崇敬されていました。
与杼神社から、西に少し歩けば桂川ですね。
淀川が、明治33年(1900年)に改修工事が行われた際に現在地に移転しています。
現在の本殿は、昭和55年(1980年)の再建です。
本殿の近くには、大坂淀屋の高灯籠が立っています。
淀屋は、江戸時代の豪商で大いに繁盛していましたが、それが江戸幕府に睨まられることになり、宝永2年(1705年)に財産を没収されてしまいました。
近くの説明書には、「淀屋ゆかりの者がこの高灯籠を寄進して再興を宣言したことを示したともいえる」と書かれています。
高灯籠は、宝暦9年(1759年)に寄進されたようで、その4年後の宝暦13年に大坂の元の地に木綿問屋として淀屋清兵衛を公称して再興を果たしています。
無人の境内。
空が曇っていると、さらに寂しく見えますね。
仲良く並んだ3つの末社。
お稲荷さんが祀られているので、商売繁盛を祈願しておくと良いでしょう。
本殿にお参りを済ませたので、そろそろ与杼神社から出ましょう。
近くの淀城跡公園にも人がおらず、静かでしたよ。
この後は、淀水路に河津桜の新緑を見に行きます。
なお、与杼神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。