京都市左京区の吉田神社には、斎場所大元宮(さいじょうしょだいげんぐう)と呼ばれる変わった建物があります。
屋根の形が8角形をしている斎場所大元宮の本殿は、普段はお参りをすることはできません。
でも、正月、節分の3日間、毎月1日には、門が開けられ、斎場所大元宮にお参りできます。
今回の記事では、吉田神社の斎場所大元宮を紹介します。
落ち着きのある茅葺屋根
吉田神社の最寄り駅は、京阪電車の出町柳駅です。
駅からは、東に徒歩約20分です。
市バスだと「京大正門前」から徒歩約5分なので、市バスを利用するのが便利です。
斎場所大元宮は、吉田神社に入り、吉田山を登っていくと建っています。
朱色の鳥居の奥に門があります。
普段は、門が閉まっているので、斎場所大元宮の本殿は、門の外から眺めることになります。
門の外からでも、屋根が8角形になっているのがわかりますよ。
こちらは、節分の時に見た斎場所大元宮の本殿です。
入母屋造茅葺(いりもやづくりかやぶき)の屋根が建物全体を落ち着きのある姿に見せてくれます。
大元宮には、天神地祇八百万神(あまつかみくにつかみやおよろずのかみ)を祀っています。
そして、周囲には、伊勢二宮をはじめ、全国の延喜式内社3,132座を奉祀しています。
したがって、斎場所大元宮に参拝すれば、全国の神社にお参りをしたのと同じ効験があると伝えられています。
もとは、吉田神社の神職の卜部(うらべ)家邸内にあったもので、文明16年(1484年)に吉田神道を創設した吉田兼倶(よしだかねとも)が現在地に移し、吉田神道の根本殿堂としました。
天正18年(1590年)には天皇守護のため宮中の神祇官(じんぎかん)に祀られていた八神殿が遷され、慶長14年(1609年)から明治4年(1871年)まで、神祇官代としてその儀式を執行しています。
現在の本殿は、慶長6年(1601年)の建築なので、400年以上経過しています。
後方には、後房(こうぼう)と呼ばれる6角形の祈祷所が付設しています。
屋根の上に載っている2本の角のようなものは千木(ちぎ)と呼ばれるもので、神社の建築物で見られます。
千木の後ろにいくつかある木は、鰹木(かつおぎ)と呼ばれ、こちらも神社の建築物で見られます。
また、屋根の中央には、露盤宝珠(ろばんほうしゅ)も置かれています。
この屋根の8角形は、密教、儒教、陰陽道、道教などの諸宗教、諸思想を統合した吉田神道の理想の形を表しているそうです。
下の写真は、節分の日の前夜に参拝した時のものです。
吉田神社の節分祭はとても盛り上がるので、前夜でも多くの参拝者が斎場所大元宮にお参りをします。
本殿の前でお参りできる機会が少ないので、節分の時に訪れる人が多いのでしょう。
吉田神社に参拝する際は、毎月1日、正月、節分祭の日を選べば、斎場所大元宮の中に入れます。
ぜひ、間近で8角形の本殿をご覧になってください。
なお、吉田神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。