8月下旬。
京都市上京区の梨木神社(なしのきじんじゃ)に参拝しました。
京都の夏は徐々に終わりが近づいています。
梨木神社は、9月中旬に萩の花が見ごろを迎えることで有名な神社。
まだ萩の開花には早いですが、そろそろ梨木神社では秋の雰囲気を感じられる頃です。
ムクゲとフヨウが咲く参道
梨木神社は、地下鉄の今出川駅から南東に徒歩約10分の場所に建っています。
京阪電車の出町柳駅からだと、南西に徒歩約10分ですね。
梨木神社の参道の入り口付近にやってくると、萩のつぼみがほころびかけていました。
萩の開花が近づいていますね。
鳥居の前では、ムクゲがピンク色の花をきれいに咲かせていましたよ。
ムクゲは夏に咲く花ですが、梨木神社の参道では、まだムクゲのつぼみが多く残っていたので、もうしばらくは楽しめそうです。
二の鳥居から参道に入ります。
一の鳥居もあるのですが、二の鳥居との間にマンションができたので、梨木神社には二の鳥居から入ることになります。
参道の両脇には、萩やカエデがたくさん植えられており、緑がいっぱいです。
無人の参道を北に進みます。
参道脇では、フヨウも白色の花を咲かせていました。
屋根が苔むした鳥居は、なんとも味わい深い姿であります。
神門をくぐると、正面に拝殿が建っています。
拝殿の周囲にも、たくさんの萩。
でも、まだ花は、まったく咲いていませんでした。
本殿の周りも萩がいっぱい。
それでは本殿にお参りをしましょう。
本殿に祀られているのは、三条実萬(さんじょうさねつむ)と三条実美(さんじょうさねとみ)です。
三条実萬は、江戸時代後期の公卿で、才色兼備で菅原道真の生まれ変わりと崇められ、今天神と称されました。
その子の三条実美は、文久3年(1863年)の八月十八日の政変で失脚したものの、明治維新政府では太政大臣となったことで知られています。
神門から参道に戻ります。
ハート形の絵馬がたくさんかかっていますね。
梨木神社が建つ地は、源氏物語に登場する中川の家の候補地と言われています。
参道にある「源氏物語ゆかりの地」の説明書によると、平安京の東端の東京極大路に沿って流れていた京極川の二条以北を中川と読んでいたそうです。
源氏物語では貴族の別荘が多く建ち並ぶあたりと設定されており、花散里(はなちるさと)邸や紀伊守(きいのかみ)邸は、梨木神社の辺りだと考えられています。
また、蜻蛉日記(かげろうにっき)の作者の藤原道綱母も中川の近くに住んでいたそうです。
参道の西側にある手水屋では、名水の染井を汲むことができますよ。
私も過去に染井をペットボトルに入れて持ち帰ったことがありますが、雑味のない口当たりで美味しかったです。
夏の終わりの梨木神社は、一足早く秋の気配を感じさせてくれました。
梨木神社では、第3または第4日曜日の前後に萩まつりが行われます。
その頃に梨木神社を訪れれば、たくさんの萩が咲いた風景を見られますよ。
梨の木神社を出た後は、廬山寺(ろざんじ)に参拝しました。
なお、梨木神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。