5月下旬に京都市東山区の泉山(せんざん)に建つ善能寺に参拝しました。
善能寺には、カエデが多く植えられており、この時期はきれいな新緑を見ることができます。
今回の参拝は、その新緑を観賞することが目的であります。
仙遊苑と新緑
善能寺は、JRまたは京阪電車の東福寺駅から東に20分ほど歩いた辺りに建っています。
泉山には泉涌寺があり、善能寺はその塔頭(たっちゅう)です。
他にも、今熊野観音寺や来迎院など、泉山には多くの寺院が建っており、善能寺と同じく新緑を楽しむことができます。
善能寺の山門前に到着。
太陽の光が透過したカエデの葉が、鮮やかな黄緑色に輝いてますね。
山門をくぐると、石畳の参道が本堂の祥空殿に向かって延びています。
参道脇には三尊石が置かれています。
この三尊石には、俳匠荻原井泉水氏が詠んだ以下の句が刻まれています。
南無観世音 藤はようらく 空に散る
善能寺境内には多くの石が置かれていますが、これらは、徳島の西尾秀蔵氏が寄進した阿波石とのこと。
善能寺の境内は、広々としており、周囲にカエデなど多くの木が植えられています。
木々を背に建つ本堂には、平安時代に造られた聖観世音菩薩が本尊として祀られています。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂の北側には、仙遊苑と呼ばれる池泉観賞式庭園があります。
この庭園は、昭和の作庭家重森三玲が造ったものです。
重森三玲が作った庭園は、東福寺などにありますが、どこも拝観料が必要です。
でも、善能寺は境内に入るのに拝観料の類は必要ありませんから、誰でも無料で重森三玲の庭園を鑑賞できるのです。
庭園には、大きな石がたくさん配されており、周囲にはカエデが数本植えられ、その名のとおり、仙人がいそうな雰囲気が漂っています。
池泉観賞式庭園ではありますが、この日は池に水はありませんでした。
以前に訪れた時は水があったように思ったのですが。
初夏の日差しを浴びて、黄緑色に輝く新緑。
木陰のコケも、しっとりとした緑色が美しいです。
山門近くにある鳥居は、稲荷社のものです。
善能寺に祀られている稲荷大明神は、日本最初の稲荷大明神だそうですよ。
本堂にお参りを済ませ、仙遊苑の新緑を見たので、そろそろ善能寺から出ることにしましょう。
私が境内にいる間、他に訪れる参拝者は1人もおらず、心静かに参拝できました。
なお、善能寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。