11月下旬。
京都市上京区の妙顕寺(みょうけんじ)に参拝しました。
妙顕寺では、11月23日から12月10日まで宝物限定公開が行われており、また、本堂と庭園の拝観もできます。
今回は、この限定公開と紅葉を見るために妙顕寺を訪れました。
境内の紅葉
妙顕寺は、地下鉄鞍馬口駅から西に10分ほど歩いた辺りに建っています。
境内の入り口の山門前に到着。
ここからでも、参道の紅葉が見ごろになってるのがわかりますね。
山門をくぐり、まっすぐ本堂に延びる石畳を歩きます。
晴天の下で見る本堂と紅葉が美しいですね。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂脇にも多くのカエデが植えられており、ちょうど紅葉が見ごろを迎えていましたよ。
この紅葉を見ながら北に歩き、庫裡(くり)の前にやってきました。
四海唱導の庭の紅葉
宝物限定公開の拝観受付は庫裡の中にあります。
靴を脱いで庫裡に入り、拝観料500円を納め、順路に従って堂内を進みます。
最初にやってきたのは、大客殿です。
大客殿の前には、四海唱導の庭と呼ばれる枯山水庭園があります。
妙顕寺は、元亨元年(1321年)に創建された京都における日蓮宗最初の寺院です。
四海唱導とは、世界中のあらゆる人々を法華経の教えに導き、その功徳によって人々を救うという意味があり、それを表現したのが、この庭園なのだとか。
また、正面に見える勅使門の前に石畳が敷かれているのは珍しいとのこと。
勅使門の奥に見える本堂も迫力がありますね。
白砂に描かれた円の中には仏足も描かれています。
仏足を描いたのは、画家の塩澤文雄さんです。
末法の世にお釈迦さまがこのお庭に降り立ち、本堂へ駆け寄り三唱を唱えるイメージを強く念じながら作庭したそうです。
夜にはライトアップも行われ、仏足が光っている風景がテレビで紹介されていましたよ。
四海唱導の庭の紅葉も見ごろでした。
カエデが植えられている辺りでは、3つの石組が滝を表現し、滝から水が流れ落ち海へと広がっている様を白砂で表しています。
大客殿の縁側のちょうど紅葉を正面に見れる場所に抹茶席が用意されていました。
抹茶席は別途500円が必要です。
私は抹茶をいただきませんでしたが、抹茶席からだとさらに美しく紅葉を見れたことでしょうね。
四海唱導の庭を見た後は本堂に入ります。
先ほど外からお参りをしましたが、もう一度、中でもお参りをしておきましょう。
仏殿に置かれているチーンと鳴らす鈴(りん)を大きくしたものもありました。
名前を忘れてしまったのですが、トラックのタイヤくらいの円周があり、とても大きかったですよ。
鳴らす棒も野球のバットを太鼓のバチほどの長さに縮めたような巨大なものでした。
鳴らしても良いということだったので、試しに鳴らしてみました。
鐘のような低めの重厚感のある音が堂内に響き渡ります。
竹林の坪庭と光琳曲水の庭
本堂にお参りをした後は、大客殿の奥の書院に向かいます。
書院に行く途中には、竹林の坪庭があります。
見ているだけで涼しくなる庭園です。
この日は、11月下旬にしては少し暑かったのですが、竹とコケの緑色が涼しい気分にしてくれましたよ。
書院の前に配されているのは、光琳曲水の庭です。
江戸時代の画家尾形光琳は、妙顕寺の檀家であり、かつて彼が設計したとされる庭園が当寺にあったそうです。
しかし、天明の大火(1788)で妙顕寺が被災し、その庭園は焼失します。
そして、後に宝物庫に残されている尾形光琳が描いた松竹梅図の掛軸を元に作られたのが、現在の光琳曲水の庭とのこと。
上の写真に写っているアカマツは樹齢400年だそうです。
写真には写ってませんが、クロマツも手前に植えられており、こちらは樹齢200年とされています。
光琳曲水の庭にはカエデはあまり植えられていません。
それでも、庭園奥で紅葉したカエデがひときわ目立っており、緑色が主体のお庭に明るさを与えていましたよ。
まだ、カエデの下の方の葉は緑色が残っていましたが、このようなモミジも美しいものです。
諸堂を一通り拝観したので、外に出ることに。
庫裡の前のドウダンツツジが真っ赤に色づいていました。
参道の紅葉も日差しを浴び、美しく輝いていましたよ。
妙顕寺は、参拝者が少なく、とても静かでした。
秋の紅葉だけでなく春の桜もきれいなお寺ですから、いずれは混雑するようになるかもしれませんね。
なお、妙顕寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。