5月下旬に京都市東山区の東福寺に参拝した時、方丈に設けられた八相の庭を拝観してきました。
八相の庭は、方丈の東西南北に造られた庭園です。
東庭と南庭は白砂と石組が主体となっている落ち着きのある庭園でした。
南庭を見た後は、サツキが咲く西庭と北庭へと向かいます。
西庭のサツキ
東福寺の最寄り駅は、JRと京阪電車の東福寺駅で、そこから南東に徒歩約5分のところに東福寺が建っています。
方丈庭園の拝観料は400円です。
南庭を見ながら方丈の廊下を歩き、西庭の角までやってきました。
西庭は、サツキの刈込、白砂、葛石(かずらいし)で方形に区切って、大きな市松模様を作っています。
西庭の北の角まで来ると、正方形に刈り込まれたサツキが互い違いに植えられて、市松模様となっているのがよくわかります。
西庭は、井の字に等分した古代中国の田制の井田(せいでん)にちなみ、井田市松と呼ばれています。
まだ、サツキの花は咲き始めて間もないようです。
緑色の葉が目立ちますが、満開になると桃色に彩られるのでしょうね。
西庭の北側には通天台と呼ばれる舞台が設置されています。
通天台から眺める洗玉澗(せんぎょくかん)の新緑も見事でしたよ。
北庭のサツキ
西庭の次は北庭へと進みます。
北庭は、市松模様にウマスギゴケと敷石が配されており、奥にはサツキの刈込とカエデの木があります。
こちらも、まだサツキが咲き始めたばかりのようです。
桃色のサツキと赤色のサツキ。
苔が緑色であれば、もっとみずみずしい景色だったでしょうね。
北庭に使われている敷石は、南庭の前にある唐門の恩賜門に使われていたものだそうです。
彫刻家のイサム・ノグチは北庭を見て、「モンドリアン風の新しい角度の庭」と評したとか。
秋になると、通天紅葉の黄金色と緑色のコケの対比も美しいですね。
北庭の東角にも、小さなサツキの刈込がいくつかありました。
小さく刈り込まれたサツキは、鞠のようで、かわいらしいですね。
方丈の北東にある庭。
この庭には、特に名前はないようですが、新緑がきれいでしたよ。
八相の庭の拝観の最後に縁側に座って、のんびりとするのも良いですね。
初夏の東福寺の方丈庭園は、人がそれほど多くありませんでした。
海外からお越しの方が目立ちましたが、混雑することなく、ゆっくりと庭園を鑑賞できましたよ。
なお、東福寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。