京都市右京区の嵐山や嵯峨野は、秋の紅葉の時期に多くの観光客や旅行者の方が訪れます。
それだけ、この辺りの紅葉は美しいということですね。
実際に行ってみるとわかりますが、どのお寺でも神社でも見事な紅葉を観賞できます。
嵐山で人気があるのは渡月橋周辺の観光名所です。
でも、渡月橋からかなり北に位置する化野念仏寺(あだしのねんぶつじ)、鳥居本、愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)も、他とは趣の異なった紅葉狩りができるので、一度は秋に訪れたいですね。
化野念仏寺
京都駅から化野念仏寺に行くには、JRに乗車して嵯峨嵐山駅で下車し、そこから清滝道を北西に20分ほど歩かなければなりません。
市バスを使って「嵯峨釈迦堂前」まで行き、そこから化野念仏寺まで歩けば約10分ですが、交通渋滞を考えるとJRを使った方が良いですね。
化野念仏寺が建つ辺りは、昔は風葬の地でした。
そのため、境内には死者の菩提を弔うためにたくさんの石仏や石塔が並んでいます。
それら石仏や石塔と一緒に眺める紅葉は、何とも言えないもの悲しさを感じさせます。
しかし、そのもの悲しい紅葉風景に似合わず、参拝者はとても多いです。
駅から遠いのにたくさんの人が訪れるのですから、化野念仏寺の紅葉の美しさがわかるかと思います。
受付へと続く石段わきに植えられている多くのカエデが、赤く色づいているのを見ると、境内の紅葉も見たくなってきます。
そして、受付を過ぎると、仏舎利塔やお迎地蔵まで参道沿いのカエデがきれいに紅葉しています。
西院(さい)の河原と一緒に見る紅葉はしみじみとした趣。
竹の小径は、すがすがしい緑色。
どれも一度は見ておきたい風景です。
なお、化野念仏寺の拝観料は500円です。
鳥居本
化野念仏寺からさらに北西に10分ほど歩いて鳥居本に向かいましょう。
鳥居本には、愛宕神社の朱色の一の鳥居が建っています。
鳥居の先には、苔むした味のある屋根を持つ茶店があり、その茶店と一緒に見る紅葉はとても情緒があります。
鳥居本には、道路沿いに古風な建物が何件か建っているので、それらの建物を見ながらのんびりと歩くのもおすすめです。
この辺りは、テレビのCMで使われたり、番組で取り上げられたりしたことがあるので、訪れるとどこかで見たような懐かしさを感じられると思います。
なお、鳥居本は拝観料は必要ありません。
ちなみに愛宕神社の鳥居があるからと言っても、近くに愛宕神社があるわけではありません。
愛宕念仏寺
鳥居本からさらに10分ほど北に歩くと、愛宕念仏寺が建っています。
愛宕念仏寺は、山裾に沿うようにお堂が建っているので、傾斜を登りながら紅葉を観賞します。
愛宕念仏寺は、比較的参拝者が少な目です。
さすがに渡月橋から3kmほど離れているので、ここまで歩いてこないのでしょうね。
愛宕念仏寺の境内には、信者が奉納した1,200体の羅漢像が並んでいます。
ニコニコとした笑顔の羅漢像が多く、見ているだけで心が和みます。
それら苔むした羅漢像たちと一緒に見る紅葉も味わい深いです。
また、建物は、他の寺院とは少し違った姿かたちをしています。
地蔵堂、ふれ愛観音堂、多宝塔、三宝の鐘など、興味深い建物なので、じっくりと見おきたいですね。
本堂にも上がってお参りをしておきましょう。
なお、愛宕念仏寺の拝観料は400円です。
化野念仏寺と愛宕念仏寺は、石仏や羅漢像がたくさんあるので、雰囲気が似ているとも言えます。
たくさんの石仏や羅漢像とともに紅葉を観賞できるところは、京都でも珍しいですね。
化野念仏寺と愛宕念仏寺の拝観時間はそれぞれ30分から1時間ほどです。
鳥居本は歩いて通り過ぎるので、紅葉狩りにほとんど時間はかかりませんが、お店で休憩するのであれば30分ほどかかります。
嵯峨嵐山駅から愛宕念仏寺までは徒歩で40分ほどかかります。
愛宕念仏寺の紅葉を楽しんだ後は、「愛宕寺前」からバスに乗って渡月橋辺りまで戻ってきた方が良いでしょう。
お食事できるお店は渡月橋付近にたくさんありますから、その辺りで昼食をとるのがおすすめです。
電車での京都駅の往復が約40分、紅葉の名所3ヶ所の拝観に2時間、各名所間の移動に1時間30分、昼食に1時間程度かかるとすると、約5時間は見ておいた方が良いですね。