毎年4月29日は、京都市伏見区の城南宮で曲水の宴(うたげ)が催されます。
曲水の宴は、平安時代の貴族たちが楽しんだ行事で、後に桃の節句へと発展していきました。
その行事が今も城南宮で毎年行われており、無料で観覧できます。
ということで、4月29日に城南宮に曲水の宴を見に行ってきました。
白拍子の舞
城南宮は、地下鉄竹田駅から南西に15分ほど歩いた辺りに建っています。
曲水の宴が行われるのは、境内をぐるっと囲むように設けられた神苑内の平安の庭です。
神苑に入るには、普段は600円の拝観料が必要なのですが、曲水の宴の時は無料です。
なので、神苑を鑑賞するなら曲水の宴当日がおすすめです。
曲水の宴は午後2時から行われます。
今回で観覧するのは5度目。
見やすい位置で観覧するため、1時間30分ほど前に平安の庭で待機することに。
しかし、すでに多くの人が平安の庭にいて、思ったほど良い場所を取ることができませんでした。
それでも立ち見じゃないので良しとしましょう。
午後1時30分頃。
琴の演奏が始まります。
藤棚の下で演奏される優雅な琴の音色。
琴の涼しげな音色が響き渡ります。
午後2時になり、参演者たちが平安の庭に入ってきました。
参演者たちは、いったん整列。
そして、その中の歌人たちが、本日の歌題を拝見します。
この瞬間まで、歌人は歌題を知りません。
なので、歌人たちは短い時間に即興で、和歌を作らなければなりません。
なお、今回の歌題は、「夕霞」です。
歌題を確認した歌人たちが、遣水のほとりへと進みます。
そして水辺に着座します。
歌人たちが着座し終えたところで、白拍子の舞が始まります。
白拍子は、平安時代の踊り子で、今様といわれる歌に合わせて舞を披露します。
ちなみに今様は、現在でいうJ-POPのようなもので、その当時流行していた歌のことです。
流觴曲水
白拍子の舞が終わると、次は流觴曲水(りゅうしょうきょくすい)にうつります。
2人の童子が羽觴と呼ばれる鳥の形をした盃を遣水に流します。
羽觴にはお酒が入っており、ひとつ目の羽觴を歌人たちは見送ります。
そして、2つ目の羽觴が流れてくると、それを取って盃をいただき、和歌を短冊にしたためていきます。
どのような歌を短冊にしたためているのでしょうか。
2人の童子が、歌人たちから短冊を回収して舞台へと持っていきます。
そして、舞台に朗詠者たちが上がって、7人の歌人たちがしたためた和歌を次々に朗詠していきます。
4人目の和歌を朗詠し終わったところで、報道関係者の撮影時間となります。
和歌の朗詠が続く中、再び流觴曲水が行われ、報道関係者がそれを撮影します。
最後の和歌が朗詠される前に報道関係者の撮影時間は終了。
そして、7人目の和歌も朗詠された後、参演者たちは平安の庭から退場していきました。
これで曲水の宴は終了です。
この後、平安の庭では、人形(ひとがた)流しが行われます。
参拝者は300円の初穂料を納めれば人形流しに参加できます。
1時間ほどの間でしたが、平安時代の貴族の遊びを楽しむことができました。
でも、1時間30分も場所取りのためにずっと椅子に座っていたので疲れました。
次回からは、もっと遅くに来て立ち見することにしましょう。