京都市伏見区に建つ藤森神社(ふじのもりじんじゃ)は、勝運のご利益を授けてくれる神社として知られています。
特に競馬の神さまとして崇敬されていることから、競馬関係者のみならず競馬ファンの間でも有名です。
境内を見ていても、競馬の絵馬が掲げられていたり、ジョッキーのサインがあったりと、競馬色を強く感じますね。
でも、藤森神社は、競馬の神さまだけでなく、学問の神さまも祀っています。
なので、勝運だけでなく学業成就の祈願のために参拝するのもおすすめなんですよね。
日本書紀の編纂に関わった舎人親王
藤森神社は、京阪電車の墨染駅から北東に5分ほど歩いたあたりに建っています。
長い参道をまっすぐに進み、中央が通路となっている割拝殿を抜けるとその先に本殿があります。
この本殿の左前には、「学問の祖神舎人親王御神前」と刻まれた石柱が立っています。
舎人親王(とねりしんのう)は、天武天皇の皇子で、持統、文武、元明、元正、聖武の5朝で国政に参画した人物です。
舎人親王が編集を主催した日本書紀は、日本最古の歴史書として重要な意義を持っています。
また、日本にはたくさんの学者がいますが、日本最古の学者は、舎人親王と伝えられています。
学問の神さまと言えば、菅原道真を連想する人が多いと思います。
道真を祀る北野天満宮は平安時代に創建された神社ですが、藤森神社は、平安遷都以前に創建されているので、舎人親王の方が学問の神さまとしての歴史が古いことになります。
先ほどの石柱から左に進むと、「学藝の祖舎人親王崇敬碑」があります。
舎人親王は、亡くなった後、子の淳仁天皇が即位すると、天皇の父として「崇道尽敬天皇」の称号が贈られています。
彼の曾孫の清原夏野は、令義解(りょうのぎげ)や日本後記を編集し、同族の清原深養父(きよはらのふかやぶ)、清原元輔、清少納言は、歌人、文人として知られており、舎人親王の家系は秀才一族と言うにふさわしい経歴を持っています。
舎人親王が学問の神さまとして崇められる理由がよくわかりますね。
一方で舎人親王は、弓矢蟇目の秘法を伝えるなど、文武両道に秀でていたことから、皇室、藤原一門、式家の崇敬も篤かったとのこと。
現在では、菅原道真を祀っている天満宮が、合格祈願に参拝する神社として受験生には人気です。
でも、学問の世界で大きな事業を成し遂げたいという場合は、舎人親王を祀っている藤森神社に学業成就のお参りをする方が良いかもしれませんね。
なお、藤森神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。