南の岩倉と呼ばれた明王院不動寺

松原通を鴨川から烏丸まで歩いている時に偶然見つけたのが、明王院不動寺です。

この辺りは、何度も歩いたことがあるのですが、明王院不動寺には、全く気付きませんでした。

説明書によると、明王院不動寺は、あまり大きなお寺ではないのですが、持統天皇5年(691年)に創建された歴史のあるお寺だそうです。

平安京の南の磐座

下の写真に写っているのが、明王院不動寺です。

明王院不動寺

明王院不動寺

ちょっと変わった形をしているように見えるのは、道路の角に塀がL字型にあるからでしょうね。

明王院不動寺は、弘法大師空海が自作の石仏不動明王を祀ったお寺と伝えられています。

また、桓武天皇が平安遷都(794年)に際して、平安京を守るために東西南北の4ヶ所の磐座(いわくら)に経典を納めたと伝えられていますが、明王院不動寺はそのうちのひとつで、南の岩倉と称していたそうです。

何やら歴史的に重要そうなお寺ですね。

見た目の小ささからは、想像できません。

明王院不動寺は、その後、鴨川の氾濫や応仁の乱などで荒廃します。

安土桃山時代に豊臣秀吉が当地から不動明王を得て、聚楽第に祀ったところ夜な夜な不思議な光を放ったので、霊験を感じ、お堂を建てて再び奉安したそうです。

お寺にあった説明書に書かれていた内容は、大体以上のとおりです。

境内に入って本堂にお参りです。

中はワンルームマンション程度の広さです。

本堂の前には、「酉歳一生の守本尊」と書かれていました。

酉歳一生の守本尊

酉歳一生の守本尊

酉年の方は、一度はお参りしておきたいところですね。

本堂にお参りした後に周りを見てみると、入口近くに2つの小さな祠がありました。

小さな祠

小さな祠

ひとつは鎮守社でしょうか。

こちらにもお参りしておきましょう。

京都は、何気ない場所に歴史的に興味深い史跡があるので、意識していなくても新たな発見がありますね。

ちなみに平安京を守っていた4つの磐座は、明王院不動寺の他に北の山住神社、東の観勝寺、西の金蔵寺があります。

4つを線で結んでみても、きれいな四角形にはならず、それどころか南の明王院不動寺が、平安京内にあるため、平安京を囲むようになっていません。

このあたりについては、「西陣に住んでます」さんの以下の記事で詳しく書かれているので、ご覧になってください。4ヶ所すべての写真も掲載されていますよ。

なお、明王院不動寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。