京都市右京区の阪急電車西院駅(さいいんえき)から北西に5分ほど歩くと、西院春日神社という神社が建っています。
西院春日神社の境内には様々なご利益を授けてくれる石が、いくつかあります。
何やら興味をそそられるので、お参りを兼ねてご利益を授けてくれる石を見に行ってきました。
疱瘡石
西院春日神社の東の鳥居に到着。
近くに大きな家電量販店があるので、それが目印になります。
西院春日神社は、天長10年(833年)に奈良の春日大社から分霊を勧請(かんじょう)したのが始まりです。
鳥居をくぐって境内へと向かいます。
中央に拝殿があり、北側に本殿が建っています。
街中にある神社にしてはなかなか広い境内ですね。
それでは本殿にお参り。
本殿には、疱瘡石(ほうそういし)と呼ばれる霊石が祀られています。
本殿の前に置かれている石がそれなのかと思ったのですが、これはお百度石。
その昔、淳和天皇の皇女の崇子内親王(たかこないしんのう)が疱瘡を患った時、神前の霊石が身代わりとなって疱瘡を生じ、内親王の疱瘡が治ったと伝えられています。
それ以後、当社は、皇室から病気平癒、厄除の守護神と崇められるようになりました。
また、疱瘡石は、都に疫病が流行る前に必ず表面が濡れたとも伝えられています。
なお、疱瘡石は、毎月1日、11日、15日の月次祭で本殿内にて公開されます。
還来神社の梛石
境内の西に還来神社(もどろきじんじゃ)が建っています。
貞観16年(874年)の淳和院火災時に正子内親王が避難のため松院に逃げました。
その後、御殿に戻ると類焼を免れていたことから、「無事還って来られたのは神のご加護である」と言ったとされます。
以降、還来の大神と称されるようになりました。
社殿には、たくさんのわらじが奉納されています。
還来神社は、旅行安全のご利益を授けてくれます。
わらじの木札に氏名、生年月日、住所、旅行先、旅行期間を記入して、神前に奉納しておくと、旅行期間中毎朝祈願してくれるそうです。
また、還来神社の前にある梛石(なぎいし)を旅行者が往きに還りに撫でて祈願し、無事息災、還来成就をなす習慣があるとか。
梛石病気の人が石を撫でた後、その手で患部を撫で健康を祈る風習も後にできたことから、撫石(なでいし)とも呼ばれるようになったそうです。
仁孝天皇御胞衣塚
梛石の近くには、仁孝天皇御胞衣(えな)塚があります。
胞衣とはヘソの緒のことです。
塚の前に無数の白い石が置かれています。
安産や子授け、母体の健康、乳幼児の健やかな成長を祈り、奉納されたのがこれらの白石で、子安石(こやすいし)と呼ばれています。
西院春日神社は、昔から石に祈願する習慣があり、現在も続いているようですね。
帰りは、西の鳥居から。
緑色の葉をたくさん付けた藤棚があります。
境内にも藤棚が何カ所かにありました。
どうやら西院春日神社は藤の名所でもあるようですね。
「たんぶーらんの戯言」さんの隠れた藤の名所 西院春日神社の記事できれいに咲いた藤の花の写真が掲載されていますので、ご覧になってください。