知恩院の七不思議は全て見られない

京都市東山区に建つ知恩院には、古くから七不思議が伝わっています。

京都の七不思議の中でも知恩院は有名なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

しかし、7つ全ての不思議を見たことがあるという方は、あまりいらっしゃらないでしょう。

なぜなら、知恩院の七不思議は、普段、公開されていないものが多いからです。

私も、七不思議を探しに知恩院を訪れたのですが、残念ながら全てを見ることができませんでした。

なので、今回の記事では、七不思議のうち実際に見れたものだけ、写真を掲載します。

その1.瓜生石

まず1つ目は、三門の北にある黒門付近にある瓜生石(かしょうせき)です。

瓜生石は、道路を挟んで黒門の向かい側に置かれています。

瓜生石

瓜生石

瓜生石は、知恩院が建立される前からこの地にあり、誰も植えた覚えがないのにこの石から瓜のつるが一夜にして伸びて実を付け、牛頭天王(ごずてんのう)が現れたと伝えられています。

こんな硬そうな石から瓜が実るとは、なんとも不思議です。

でも、アスファルトから雑草が生えることもあるので、意外とあり得るのかもしれませんね。

その2.忘れ傘

2つ目の不思議は、御影堂(みえいどう)の屋根に存在します。

御影堂

御影堂

御影堂の屋根の右端を見上げると、そこには、なぜか傘があります。

忘れ傘

忘れ傘

この傘は、名工左甚五郎が魔除けのために置いていったと伝えられています。

また、濡髪童子が置いたとも言われています。

傘は水を呼ぶものであることから、忘れ傘は、知恩院を火災から守ってくれているそうです。

その3.鴬張りの廊下

以上が、実際に見ることができる七不思議です。

たった2つしか見ることができないのが残念です。

でも、方丈庭園の拝観受付付近に七不思議の案内板があり、写真ではありますが、残りの七不思議を見ることができます。

七不思議の案内板

七不思議の案内板

ここからは、文章だけで、七不思議を紹介していきます。

3つ目の不思議は、鴬張りの廊下です。

この廊下は、御影堂から大方丈、小方丈へと続く廊下で、歩くと鶯の鳴き声のような音が鳴ります。

鴬張りの廊下は、二条城にもあるので、その音を聞きたい方は二条城に訪れてみてください。

歩くたびに「キュッキュッ」という音がしますよ。決して、傷みが激しくてきしんでいるわけではありません。

その4.大杓子

4つ目の不思議は、大方丈にある大杓子(おおしゃくし)です。

大方丈

大方丈

この大杓子は、長さ2.5メートル、重さ30kgもあるそうです。

大杓子は、阿弥陀様の大慈悲で全ての人が救われるようにという一切衆生(いっさいしゅじょう)救済を表したものだとか。

また、大坂夏の陣(1615年)で、真田十勇士のひとり三好青海入道が、この大杓子を持って大暴れしたとも伝えられています。

その5.三方正面真向きの猫

5つ目の不思議も大方丈にあります。

大方丈の杉戸には、猫の絵が描かれているのですが、この猫、不思議なことにどの角度から見ても、見ている人を正面から睨んでいるように見えるのです。

案内板に写っていた写真で試したところ、確かにどの角度から見ても睨まれました。

ちなみにこの絵は、狩野信政が描いたもので、三方正面真向きの猫と呼ばれています。

その6.抜け雀

知恩院の七不思議も6つ目です。

6つ目も大方丈内にあります。

大方丈菊の間の襖絵には、雀が描かれていたのですが、あまりによく描かれていたので、生命を得て、絵から抜け出たそうです。

その時の傷が、今も襖に残っているとか。

その7.白木の棺

最後の不思議は、三門の楼上に存在します。

三門

三門

ここには、三門を建設した五味金右衛門夫婦の木造を納めた棺があります。

五味金右衛門は、三門建設に際して、予算を超過したため、その責任を取って自刃したそうです。

以上、知恩院の七不思議でした。

普段見ることができない七不思議も、もしかしたら特別公開されることがあるかもしれません。

その時は、観に行きたいですね。

なお、知恩院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

宿泊