初夏は、気候的に京都観光に適しているのですが、旅行で訪れる方が少なめです。
この時期には、あまり観るものがないと思っていらっしゃる方が多いのでしょう。
ところが、初夏の京都は、ツツジ、サツキ、藤、カキツバタ、ハナショウブ、新緑など見どころがたくさんあります。
そこで、今回の記事では、私が過去に訪れたことのある庭園の中から、初夏に訪れたい庭園をいくつか紹介します。
京都市左京区
銀閣寺
京都市左京区の銀閣寺は、5月になると錦鏡池(きんきょうち)の周りに植えられたツツジが見頃を迎えます。
赤色、紫色、白色と鮮やかな花が、庭園を彩ります。
また、月待山の新緑も青々としており、本堂からは初夏らしい風景を眺めることができます。
永観堂
哲学の道近くに建つ永観堂は、紅葉の永観堂と呼ばれているように観光で訪れるなら秋がおすすめなのですが、初夏も新緑が美しいので拝観する価値があります。
放生池の周囲に特に多くのカエデが植えられており、水面に映り込む新緑もきれいです。
また、カエデ越しに見る山の中腹に建つ多宝塔も見事ですね。
黄緑色のカエデに混ざって赤色のカエデがあるのも良いアクセントとなっています。
茶席の毛氈や傘の赤色も羽の風情を感じられますよ。
5月上旬から中旬に永観堂を訪れた時は、参道のツツジも見ておきたいですね。
平安神宮
5月下旬から6月中旬にかけて、平安神宮の西神苑では、ハナショウブが見頃を迎えます。
200種、200株のハナショウブが咲きそろう姿は、とても爽やかで、いつまでも観ていたくなります。
また、中神苑では、初夏から夏にかけてスイレンも咲き始めます。
無鄰菴
無鄰菴(むりんあん)は京都市左京区にある庭園で、平安神宮から歩いて行けます。
明治・大正の元老山県有朋が造営した別荘で、敷地内には芝生が敷かれた広々とした庭園があります。
庭園の周囲に植えられたカエデが外の景色を遮っており、初夏には鮮やかな新緑を楽しませてくれます。
また、琵琶から引きこんだ水の流れが清涼感を与えてくれます。
5月下旬から6月上旬にかけては、サツキやハナショウブも見ごろとなります。
母屋の中から眺める初夏の庭園の風景も見事です。
詩仙堂
5月下旬から6月中旬にかけてサツキが見頃となります。
京都市左京区の一乗寺に建つ詩仙堂は、サツキが有名なお寺です。
きれいに刈り込まれたサツキは、まさに芸術品。
他にも花菖蒲や新緑も観ておきたいですね。
京都市右京区
祇王寺
京都市右京区の嵯峨野に建つ祇王寺では、新緑と苔が緑色の空間を作り出します。
上も下も緑色なので、自分の体まで緑色に光っているような錯覚を起こしてしまいますね。
本堂の控えの間にある虹の窓からの眺めも見事です。
京都市東山区
智積院
京都市東山区の智積院(ちしゃくいん)にもサツキがきれいな庭園があります。
智積院は、6月15日に青葉まつりが行われます。
この日は、庭園の拝観が無料です。
東福寺
東福寺では、毎年5月の後半にサツキが見ごろを迎え、特に東福寺本坊庭園で見るサツキがきれいです。
本坊庭園の西庭は、井田市松(せいでんいちまつ)と呼ばれ、サツキが四角に刈り込まれ白砂とピンク色の花の対比が見事です。
また、北庭もウマスギゴケと敷石の市松模様が美しく、庭の奥にサツキが植えられています。
北庭のサツキの中には、ハート形に刈り込まれたものもあるので拝観時は探してみてください。
西庭と北庭の間に設けられた通天台から見える洗玉澗(せんぎょくかん)のカエデの新緑も、この時期ならではの美しさがありますよ。
宇治市
平等院
宇治市の平等院は、ゴールデンウィーク頃に浄土庭園で藤やツツジが美しい姿を見せてくれます。
特に大きな藤棚から垂れ下がるたくさんの紫色の藤の花がきれいです。
藤越しに見る鳳凰堂も見事ですね。
ツツジは阿字池のほとり、拝観受付がある表門付近に多く植えられています。
赤色や白色など鮮やかな花をたくさん咲かせたツツジからも目が離せませんよ。
三室戸寺
宇治市に建つ三室戸寺(みむろとじ)では、6月中旬から7月上旬にかけてアジサイが見頃を迎えます。
さすがにこの時期になると初夏ではなく、夏ですね。
アジサイ寺とも呼ばれているお寺なので、一度は訪れておきたいところです。
また、三室戸寺は、5月になると2万株のツツジが花を咲かせます。
私は、三室戸寺にツツジを観に行ったことはありません。
なので、一面ツツジの花で包まれた三室戸寺の庭園の写真は、ウーマンエキサイトのツツジ満開の三室戸寺@京都の記事をご覧になってください。
これだけたくさんのツツジの花が一斉に咲いている写真は見たことがありませんね。
初夏の京都は、春や秋に比べると観光客の方が少ないので、ゆっくりと庭園を鑑賞することができます。
この記事で紹介した庭園にも、ぜひ、訪れてみてください。