京都市伏見区にある城南宮は、春になると神苑内に植えられているたくさんの花が開花します。
その中でも特に見事なのが、神苑の南にある紅枝垂れ桜です。
春の山から平安の庭までを散策
城南宮の東鳥居の脇に植えられた桜は、やや盛りを過ぎている感じ。
ここから境内に入り、本殿でお参りをした後、境内を囲むように設けられた神苑に向かいます。
拝観料は500円です。
ちなみに過去に拝観している場合、その時の拝観券を持参すれば450円になります。
神苑は、西の春の山から入場するのが通常なのですが、工事の関係で、今回は東の平安の庭から入りました。
平安の庭から入っても、やはり、通常の順路に従って拝観したいので、すぐに春の山に移動し、平安の庭へと進みながら庭園を鑑賞しました。
春の山は、築山から禊(みそぎ)の小川が流れていて、春になると様々な花が開花します。
色の濃い桜も満開です。
いや、桜と思いましたが、近くで見ると全く別の植物でした。
このピンク色の花は、アカネ(ミツバツツジ)です。
城南宮の神苑は、源氏物語花の庭とも呼ばれており、源氏物語に登場する100余種の植物が植えられています。
アカネは、その「行幸(みゆき)の巻」に登場します。
また、春の山には、様々な種類の椿が植えられています。
下の椿は、菱唐糸(ひしからいと)という椿です。
白い花と緑色の葉が美しいヤマナシ。
ヤマナシは、源氏物語の「総角(あげまき)の巻」に登場します。
本殿の裏を通って春の山から平安の庭へ。
この通路には、椿がたくさん植えられています。
4月中旬ともなるとさすがに咲いている花は減っていました。
それでも、淡桃乙女という変わった品種の椿がきれいに花を咲かせています。
数え切れないほどたくさんの花弁があります。まるで、造り物の花のようですね。
平安の庭も春らしくなっていました。
室町の庭、桃山の庭、城南離宮の庭
平安の庭の次は、神苑南の室町の庭、桃山の庭、城南離宮の庭へ。
室町の庭の池でペンギンを発見。
と思ったら、鳥でした。
変わった姿をしていますね。
室町の庭の後ろには桃山の庭があります。
春の主役は何と言っても、桃山の庭に植えられた紅枝垂れ桜です。
紅枝垂れ桜は、茶室の楽水軒を挟むように東と西に2本ずつあります。
4本の紅枝垂れ桜を一度に眺めると、桃山の庭がとても華やかに見えます。
城南宮の紅枝垂れ桜は、大島桜を主木として改良された栽培変種で、里桜といいます。
里桜は、源氏物語の「幻の巻」で登場します。
近くで見ると小さな花が枝にたくさん付いているのがわかります。
桃山の庭を鑑賞した後は、神苑南東の城南離宮の庭へと進みます。
城南離宮の庭は、枯山水庭園です。
四季を通してほとんどその姿を変えることがないのですが、春になると、紅枝垂れ桜が華やかさを演出してくれます。
ただ、午後から訪れると逆光になって太陽の光がまぶしいです。
午前中に訪れるとまぶしくないのでしょうが、そうすると桃山の庭で観る桜が逆光になってしまうというジレンマがあります。
城南宮の紅枝垂れ桜は、ソメイヨシノよりも遅れて見頃を迎えます。
そろそろソメイヨシノが終わりそうだという時に城南宮に訪れると良いでしょう。
また、城南宮では、毎年4月29日の午後2時から曲水の宴(うたげ)が催されます。
この日は、神苑が無料で拝観できるのでお得ですよ。
なお、城南宮の詳細については以下のページを参考にしてみてください。