京都は観光都市なので、多くの名所の近くには、電車の駅があります。
しかし、観光名所の中には、近くに電車の駅がないところもあり、こういったところは、ついつい敬遠したくなります。
京都市伏見区の久我(こが)も、そういったところのひとつですね。
久我は、桂川の西側にあり、東の近鉄電車の伏見駅からは20分以上歩かなければなりません。また、西のJR向日町駅から歩くにしても30分程度かかります。
どの電車に乗っても結構歩かないといけないので、久我の散策は敬遠してしまいがちですが、しかし、この地域には、菱妻神社(ひしつまじんじゃ)と久我神社という興味深い神社があるので、無視することはできません。
という訳で、菱妻神社と久我神社にお参りしてきたので、今回はこの2つの神社を紹介したいと思います。
菱妻神社
久我に到着して、最初にお参りしたのは菱妻神社です。
朱色が鮮やかな鳥居とその左側にあるたくさんの葉を付けた大きなクスノキが印象的です。
菱妻神社は、永久元年(1113年)に源雅実が、奈良の春日大明神から藤原氏の祖神の天児屋根命(あめのこやねのみこと)を勧請(かんじょう)し、源氏の守護神として火止津目大明神(ひしづめだいみょうじん)と崇めたのが始まりだとか。
その後、久寿元年(1154年)に菱妻大明神と改められました。
本殿は、鳥居と比較すると小さめの造りです。
境内には、平成12年(2000年)に解体された旧久我橋の欄干が置かれています。
久我橋は、桂川に架かっている大きな橋で、菱妻神社から南西に10分ほど歩くと到着します。
菱妻神社のお参りの後に観に行ってみるのもいいですね。
久我神社
菱妻神社にお参りした後は、南に15分ほど歩いて久我神社へと向かいます。
この辺りは田んぼや畑が多いので、地図を持たずに散策すると行き止まりに突き当たってしまうことがあります。
なので、地図は欠かすことができません。
何度か道に迷いながらも、久我神社に到着。
久我神社の入り口は、どことなく菱妻神社の入り口に似ていますね。
久我神社の歴史は古く、長岡遷都(784年)の頃に王城の守護神として創建されたのが始まりと伝えられています。
鳥居をくぐって細長い境内を進んでいくと、大井手川という小川に小さな橋が架かっています。
この橋は、森乃そり橋といいます。
久我神社の境内は、森のようにたくさんの木が生えているので、森乃そり橋という名は、境内の雰囲気にぴったりですね。
橋を渡ってまっすぐ進むと、門のような建物が現れます。
この建物の向こうに本殿があります。
本殿は、三間社流造という建築法が採用されています。
三間社流造というと東山区の若宮八幡宮社が有名ですね。
それにしても久我神社の境内は、たくさんの木が生えていますね。
木の中に建てられた本殿は神秘的というか、神々が宿っているように感じさせます。
しっかりお祈りしておきましょう。
以上、久我にある菱妻神社と久我神社を紹介しました。
京都駅から行く場合は、市バス18系統の「久我石原町ゆき」に乗車するといいでしょう。
しかし、市バス18系統は京都駅からは発車していないので、「東寺東門前」まで行って乗車する必要があります。
降りるバス停は「菱妻神社前」です。
その名の通り、バス停からすぐの場所に菱妻神社が建っていますよ。