京都駅から10分ほど近鉄電車に乗ると丹波橋駅に到着します。
丹波橋駅は、近鉄電車と京阪電車が連絡している駅のため、改札付近は多くの人が行き交っています。
しかし、駅から外に出る人は行き交う人々の数と比べると少なめです。
おそらく、電車の乗り換えでしか利用しないと言う方が多いことが理由なのでしょう。
でも、丹波橋駅から京阪電車の中書島駅までの約2kmの間には、あまり有名ではありませんが、興味深い寺社がいくつかあるので、すぐに乗り換えせずに散策してみるのもいいのではないでしょうか。
そこで、今回は丹波橋駅から中書島駅の間にある4寺社を紹介したいと思います。
大黒寺
丹波橋駅を出て、南西に約500mほど行ったところに大黒寺というお寺が建っています。
大黒寺は、薩摩藩と縁のあるお寺で、墓地には、木曽川治水工事で犠牲となった平田靭負(ひらたゆきえ)や寺田屋事件で亡くなった藩士達が眠っています。
境内には、金運清水と呼ばれる井戸もあります。
御香宮神社
大黒寺に訪れた後は、京阪電車の線路沿いに南下していきます。
15分ほど歩いたところで伏見桃山駅に到着するので、そこから東に3分ほど行けば、御香宮神社が現れます。
御香宮神社といえば、御香水が有名で、誰でも汲むことができます。水筒などがあれば、持って帰ることができますよ。
また、当社は、徳川家と縁があり、御三家の藩祖3人が伏見で誕生したことから、産土神(うぶすながみ)として崇められました。
そのため、今でも安産、子育ての神様として信仰を集めています。
他にも境内には、桃山天満宮があり、そこには伏見城の残石が置かれていますので、お城に興味がある方は、そちらも見ておくといいでしょう。
西岸寺
御香宮神社に参拝した後は、来た道を引き返し、京阪電車の線路を越えて西に進みます。
するとアーケードの商店街の中に入って行きますが、ここは、京都でも有名な商店街のひとつで、大手筋商店街といいます。
お土産なんかを買うことができますし、飲食店もたくさんあるので、歩き疲れた時はお店で休憩してもいいですね。
大手筋商店街の西側のアーケードが途切れた辺りまで来たら、南に曲がって5分ほど歩くと西岸寺(さいがんじ)が見えてきます。
西岸寺には、油掛地蔵というお地蔵さんが祀られています。
その昔、山崎の油商人が西岸寺の前で油をこぼしてしまい、残りの油を泣く泣くお地蔵さんに掛けると、その後、繁盛したと伝えられています。
また、境内には松尾芭蕉の句碑も置かれています。
長建寺
西岸寺から10分ほど南西に歩くと十石船乗船場に到着します。
その近くには、下の写真の竜宮門があります。
この竜宮門があるお寺が長建寺です。
長建寺には、開運、財宝、良縁の八臂弁財天(はっぴべんざいてん)が本尊として祀られています。
また、境内には、厄除開運不動明王を祀っている社もあります。
以上が、丹波橋駅から中書島駅の間にある4寺社です。
どれも、規模はそれほど大きいということではないのですが、たくさんのご利益があったり、名水を汲めたり、歴史的事件と関係があったりと興味深い寺社ばかりです。
また、この周辺には、黄桜や月桂冠などたくさんの酒蔵があるので、お酒が大好きという方にも散策していただきたい地域ですね。