今回は、5月下旬に訪れた嵯峨野の大覚寺を紹介したいと思います。
大覚寺は、春の桜と秋の紅葉が有名です。
なので、初夏のこの時期は、観光客の方が少なく、落ち着いて拝観することができました。
堂内を巡ることができる大覚寺
大覚寺へは、JR嵯峨嵐山駅から北に15分ほど歩くと着きます。
とても大きなお寺なので、近くまで来れば、すぐに大覚寺だとわかります。
横断歩道を渡り、敷地内の道に従って歩いて行くと、境内への入り口の大門が見えてきました。
大門の側には、サツキが咲いていました。
そろそろ見頃を迎えそうな感じですね。
大門をくぐって境内に入ると左手にずらっと活花が並んでいます。
大覚寺は、華道の嵯峨御流の総司所なので、このように活花が並べられているんですね。
大門を入って活花をみるだけなら、拝観料は必要ありません。
活花を一通りみた後は、大覚寺の中に向かいます。
下の写真の式台玄関が入口です。
写真をぱっと見ると幕が垂れ下がっているところが入り口と思ってしまいますが、実は写真の左端に写っている玄関が堂内への入り口となっています。
式台玄関は、大覚寺の西側に位置しているため、堂内の拝観順路は、東に向かうようになっています。
まずは、堂内に入ってすぐの部屋に並べられた長椅子に腰を下ろして、拝観案内を見て順路を確認。
下は、長椅子に座りながら眺めた庭の写真です。
庭の景色を眺めているといつまでも座っていたくなりますが、そういうわけにもいきません。
式台玄関を入って、最初に移動した建物が殿(しんでん)です。
宸殿の中の襖絵は、桃山時代の狩野山楽が描いたもので、牡丹図と紅白梅図。
そして、宸殿の前には、左近の梅と右近の橘が植えられています。
京都御所や平安神宮にも左右に木が植えられていますが、左側は桜です。
梅を植えているのは珍しいですね。
京都御所と同じように左右に木が植えられているのは、大覚寺が嵯峨御所と呼ばれていたことと関係があるのでしょう。
ちなみに大覚寺は、鎌倉時代に後深草上皇の系統の歴代上皇が住む仙洞御所とされていました。
宸殿から南側の庭を眺めると唐門と立派な枝垂れ桜が目に入ります。
春は、この枝垂れ桜が満開になるのでしょうね。
宸殿の東側には、御影堂(みえどう)や御霊殿が建っています。
下の写真の左側が御影堂で中央が御霊殿です。
宸殿から御影堂、御霊殿と進み、五大堂へと向かいます。
五大堂は、大覚寺の本堂で、写経もできます。
五大堂から南を見ると先ほどの枝垂れ桜の近くに置かれた御車を発見。
この御車は、何かに使うことがあるのでしょうか。
一度はこれに乗って、嵯峨野を巡ってみたいですね。
五大堂から西を見ると先ほど通ってきた宸殿があります。ここまで来て、初めて宸殿の形がわかりました。
五大堂の東側に回ってみると、そこには大きな池があります。
この池は、大沢池(おおさわのいけ)といい、日本最古の人造の池泉とされています。
五大堂からは近代的な建物が見えませんので、大沢池を眺めていると都会の騒がしさを忘れさせてくれますね。
五大堂が大覚寺の東端となります。
この後は、帰路となりますが、来る時には通らなかった霊明殿なども拝観することができます。
大覚寺を拝観して、一番良かったと思ったのは、五大堂からの大沢池の景色ですね。
とても静かで1時間くらいは眺めていられそうでした。
あと、堂内だけでなく、庭に降りることもできれば良かったのですが、そうするとお寺にとって都合が悪いことがあるんでしょうね。
大覚寺に訪れる際は、祇王寺との共通拝観券を購入するとお得です。
大覚寺の拝観料は500円ですが、祇王寺との共通拝観券は600円です。
別々に拝観した場合と比較すると200円安くなりますので、共通拝観券を購入した方がいいですね。
ちなみに大覚寺と祇王寺は徒歩25分ほど離れています。
25分も歩くのは大変に思えますが、嵯峨野ののどかな風景を眺めながら歩いたので、それほど苦には感じませんでした。
なお、大覚寺の詳細については、以下のページを参考にしてみてください。