南禅寺の再興に活躍した以心崇伝

現在、京都にはたくさんのお寺や神社があります。 寺社には、京都らしい建築物が多いので、国内だけでなく海外からもたくさんの旅行者が観光で訪れますね。 私も、よく京都のお寺や神社に観光目的で参拝することがあります。その時は、せわしない日常を忘れて心がスッキリとするというか、気持ちがとても和むんですよね。 このようなすがすがしい気持ちにさせてくれる寺社ですが、その中には、ドロドロの政治の世界と関わってきたからこそ、今日まで存続しているところがいくつもあります。 京都市左京区に建つ南禅寺も、そのひとつと言えるでしょう。

地獄の閻魔大王が祀られている2つのお寺

「嘘をついたら地獄の閻魔さまに舌を抜かれますよ」 子供の時にこんなことを大人から言われたことがある方は多いはず。 だから、閻魔さまは、とても怖い存在だという印象があるでしょう。私もそう思っています。 そして、なんとなく悪そうな印象もあるので、閻魔さまは仏さまが祀られているお寺にはいないと思い込んでしまいますが、実は、京都には閻魔さまを祀ったお寺が上京区と東山区の2ヶ所にあります。 上京区のお寺は引接寺(いんじょうじ)で、東山区のお寺は六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)です。

五山十刹から外れた大徳寺

鎌倉時代や室町時代に臨済宗のお寺は格付けがされていました。 五山十刹(ござんじっさつ)というのがそれです。 このような格付けは、南宋の官寺制度を範にしたもので、鎌倉幕府の執権であった北条貞時から始まっています。 鎌倉の浄智寺を五山に列したのが始まりで、その後、京都五山が指定され、室町時代になると、五山の下に十刹、その下に諸山が作られました。 京都五山は、南禅寺を別格として、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺と続きます。 大きな禅寺ばかりですね。 でも、よく見ると、五山に入っていても良さそうなお寺の名が見当たりません。 大徳寺が忘れられていませんか。...

御霊神社に桓武天皇と深い関係があった人々が多く祀られているのはなぜ?

京都市上京区に上御霊神社(かみごりょうじんじゃ)という神社が建っています。 また、上御霊神社から南東に15分ほど歩くと、下御霊神社という神社も建っています。 両社は、ともに「御霊」という文字が社名に入っているので、創建された目的は同じです。 その目的とは、怨霊の祟りを鎮めるためです。 平安時代、非業の死を遂げた人々が怨霊となって、疫病や洪水などの災いをもたらすと考えられていました。 そして、こういった災いから、京都を守るためには、怨霊を神社に祀って御霊に変えれば良いとされていました。 この信仰を御霊信仰といいます。 上御霊神社も下御霊神社も、祭神として...

河合神社の禰宜になれなかったから誕生した方丈記

京都市左京区の下鴨神社の第一の摂社は、同じ糺(ただす)の森の中に建っている河合神社(かわいじんじゃ)です。 河合神社の禰宜(ねぎ)は、代々、鴨氏がつとめていました。 禰宜というのは、簡単にいうと、神職のひとつで祭祀に従事するのが役目です。 鎌倉時代に河合神社の禰宜になる予定でいたけど、なれなかった人がいます。 それは、方丈記の作者の鴨長明です。

実は京都の中心から少し北にずれている「へそ石」・六角堂

京都の中心はどこかと、京都に住んでいる方に聞けば、おそらく頂法寺と答えることでしょう。 頂法寺なんて聞いたことがないという人もいらっしゃるでしょうが、このお寺は、別名を六角堂といいます。 六角堂なら聞いたことがあるのではないでしょうか。 京都市中京区に建つ本堂が六角形のお寺ですね。

大堰川の由来となった葛野大堰を造った秦氏

昔から京都の中心は四条烏丸でした。 四条烏丸が、京都の中心となった理由のひとつに鴨川が近くを流れていたということが挙げられます。 川の近くに文明が発達しやすいというのは、京都でも同じだったんですね。 さて、京都を流れる川は鴨川だけではありません。 市内の西を流れる大きな川に桂川がありますね。 この桂川の流域でも、古代に勢力を伸ばした豪族がいました。 それは、秦(はた)氏です。

今も昔も京都経済の中心だった四条烏丸

京都の歴史といった場合、多くの人が平安京以降を思い浮かべるのではないでしょうか。 でも、京都が歴史的に注目が集まるのが平安時代以降ということであって、それ以前には京都に何もなかったわけではありませんし、人が住んでいなかったわけでもありません。 現在、京都の経済の中心となっているのは四条烏丸で、この辺りには多くの金融機関が建ち並んでいます。 全国的に有名な銀行や証券会社の他にも、京都に特化した会社なんかもありますね。 四条烏丸の発展は、近代からではありません。 実は、平安遷都(794年)以前から、四条烏丸は京都の中心として栄えていたのです。

宸殿がある京都のお寺を集めました

京都を観光する場合、お寺を拝観することが多いと思います。 お寺といっても、宗派が異なっていると、建っている建物にも違いがあるわけで、どこでも同じものを鑑賞できるわけではありません。 私がこれまで京都のお寺に参拝して、立派な建物だなと感じたのは宸殿(しんでん)ですね。 宸殿は、皇室関係者が代々住職を勤めてきた門跡寺院(もんぜきじいん)特有の建物で、格式が高いのが特徴です。 今回の記事では、私がこれまでに見たことがある京都の門跡寺院の宸殿を紹介します。