京都市東山区の東福寺には、昭和の作庭家の重森三玲(しげもりみれい)が関わった庭園がいくつかあります。
私は、この中で5ヶ所の庭園を拝観したことがあります。
今回の記事では、その5ヶ所の庭園を紹介します。
1.東福寺方丈の八相の庭
最初に紹介するのは、東福寺方丈の八相の庭です。
完成したのは、昭和14年(1939年)です。
方丈の東西南北それぞれに庭が配されています。
南庭は、白砂と石組によって構成された枯山水庭園です。
西庭は、サツキの刈込と砂地とくず石で構成されています。
北庭は、ウマスギゴケと敷石で構成されていてます。下の写真に写っているのが北庭で、緑と白の市松模様が特徴的です
東庭は、白砂に円柱の石が北斗七星の形に7個配されています。
2.芬陀院の雪舟庭園
東福寺の塔頭(たっちゅう)の芬陀院(ふんだいん)には、雪舟庭園という庭があります。
雪舟庭園が造られたのは、15世紀とされています。
庭園の左側には、鶴島と亀島があります。
現在の庭園は、江戸時代以降に荒廃していたのを昭和14年に重森三玲が修復したものです。
また、東庭は、重森三玲が新たに作庭したもので、鶴亀の島も配されています。
3.霊雲院の九山八海の庭
東福寺塔頭の霊雲院の九山八海の庭も芬陀院と同じく重森三玲が修復したものです。
白砂の中央にある遺愛石は、細川家が贈ったものです。
この他にも小書院の西に臥雲の庭と呼ばれる庭園もあります。
4.光明院の波心庭
東福寺の南に建つ光明院にある波心庭(はしんのにわ)も重森三玲が作庭したものです。
中央に白砂が敷かれ、その周囲には苔が生えています。
また、庭全体には、無数の石組が配されています。
平坦でなく、アップダウンがあるのが特徴的です。
5.龍吟庵
東福寺塔頭の龍吟庵(りょうぎんあん)の方丈にある南庭、東庭、西庭も重森三玲が作庭しました。
完成したのは昭和39年です。
ここは、写真撮影が禁止されていたので、写真はありません。
南庭は、白砂だけのシンプルな造りです。
西庭は、龍の庭と呼ばれており、白砂の上に置かれた大きな石が龍の形をしています。
東庭は、不離の庭と呼ばれ、オオカミに襲撃されそうになった大明国師を2頭の犬が守っている姿を複数の石組で表現しています。
以上が私が拝観した東福寺の重森三玲の庭園です。
重森三玲の庭園に興味がある方は、東福寺に訪れると、1日でたくさんの庭園を拝観できるのでおすすめですよ。