京都市上京区の相国寺にある大光明寺(だいこうみょうじ)が2012年の「京の冬の旅」で特別公開されることになりました。
なんでも今回の特別公開は18年ぶりだとか。
次は、いつ公開されるかわからないので、この機会を逃すまいと拝観してきました。
この時期は、観光客の方が減るので、のんびりと拝観できるのも良いですね。
伊藤若冲の絵画などの寺宝
相国寺は、地下鉄今出川駅から5分ほど歩くと到着します。
その境内の真ん中よりやや北西に大光明寺は建っています。
入口の近くに拝観受付があります。
拝観料は600円。
大光明寺は、暦応2年(1339年)に後伏見天皇の皇后であった広義門院西園寺寧子(さいおんじやすこ)が、天皇の菩提を弔うために夢窓疎石を開山として伏見離宮の近くに創建しました。
寧子は、南北朝時代に北朝を支えた女性として知られています。
なお、この時代の知られざる歴史について「京都旅屋」さんが大光明寺と知られざる日本史の記事で紹介されていますので、ご覧になってください。
拝観受付を済ませ建物内へ。
本堂に祀られている普賢菩薩は辰年の守り本尊で、京都十三仏のひとつです。
普段は、非公開の大光明寺ですが、2012年が辰年ということで特別に普賢菩薩にお参りできるように公開されたわけですね。
今回の特別公開で展示されていた寺宝は、伊藤若冲の絵画、室町幕府9代将軍足利義尚筆の和漢朗詠などです。
伊藤若冲と言えば、鶏の絵が有名ですが、今回展示されていた絵は、鶏とは違う鳥が描かれていました。
私が興味深く鑑賞したのは、雲錦蒔絵硯箱です。
装飾がとてもきれいで、この硯を使えば達筆になれそうな気がしましたが、それは無理でしょうね。
なお、これらの展示物は、写真撮影禁止です。
心字の庭
本堂の前には、枯山水庭園の心字の庭が配されています。
文字通り、石が「心」の字の形に置かれています。
上の写真の左の苔の上に置かれた石が、「心」の左側の点になります。そして、写真中央の細長い苔の部分が「心」の下の線で、右端の石が「心」の上の点です。
残念ながら、右側の点に相当する石は写真に収まりませんでした。
なので、逆方向から庭園を撮影して、「心の」右の点も写しておきました。
下の写真の中央に見えるのがそれです。
庭園は、本堂の縁側からだけでなく、外からも拝観することができます。
「心」の石組を縦に撮影。さすがにこの角度だと、文字に見えませんね。
それにしても枯山水庭園を眺めていると心が落ち着きますね。
特に冬は、観光客の方が少ないので、心静かにのんびりと鑑賞できます。
冬の京都旅行は、枯山水庭園めぐりがおすすめです。
千両の赤い実が、庭園にちょっとしたアクセントを付けていました。