木屋町三条で見た時代祭-安土桃山時代の豊公参朝列・2025年

10月22日に木屋町三条で観覧した時代祭。

江戸時代婦人列が過ぎ、ここから安土桃山時代の行列がやってきます。

豊公参朝列

先頭をゆく安土桃山時代の旗は、柿色の背景に白色の文字。

安土桃山時代の旗

安土桃山時代の旗

雨上がりの薄曇りの空の下、ビルに挟まれた三条通は昼にしてはやや暗く、暖色系の旗がよく目立ちます。

安土桃山時代の一つ目の列は、豊公参朝列です。

ジャラララランとアスファルトを先払鉄棒で引きずる音とともにやって来ました。

奉仕するのは、平安講社第10社。

豊公参朝列

豊公参朝列

天下統一を果たし、関白太政大臣となった豊臣秀吉が参内する様子を再現しています。

特に慶長元年(1596年)5月の秀頼初参内と同2年9月の元服の時が最も盛儀だったと伝わっています。

豊臣秀吉は武士ですが、御所に参内する時は供の者たちは公家の衣装を身につけています。

ただ、腰には太刀をつけ、そこに武士らしさを見ることができますよ。

本列では、騎馬で登場する人が5名いますが、これは秀吉の五奉行を想定しています。

最初に登場する奉行は前田玄以(まえだげんい)。

前田玄以

前田玄以

そして、緑色の衣装は石田三成で、その後ろからやって来る白系統の衣装を着ているのが浅野長政です。

石田三成(左)と浅野長政(右)

石田三成(左)と浅野長政(右)

五奉行の衣装は、参朝の際、その日だけ特に許された規定外の「一日晴れ」といわれる衣冠束帯です。

官位や家柄にかかわらない華麗な装束を身につけています。

天下人の警護なら、甲冑をまとった武士が列を固めていそうなものですが、本列は、いかめしさがなく平和的な印象を与えます。

泰平の世となり、もはや戦は起こらないとう安心感を京都の民衆に与えているのでしょうか。

牛車の登場

行列の中ほど、ギーコギーコときしむような音を立てながら近づいてくる牛車。

牛車

牛車

本列では、豊臣秀吉も秀頼も登場しませんが、この牛車に乗っているという想定なのでしょう。

牛車は、檳榔毛唐庇車(びんろうげからひさしぐるま)と呼ばれる最高級のもので、ビロウの葉で屋根を葺いています。

庇から少し垂れ下がっているキツネ色のびらびらがビロウの葉で、これがあることで牛車の格が上がっているように見えますね。

牛車をひいている赤色の少年は牛童。

牛童

牛童

時代祭の行列には、子供たちもたくさん参加してますよ。

牛童と同じような色の衣装を着ている集団が牛車の後方を進みます。

この集団を組織するのは、掛杖持、階持、楊持、掛竿持、雨皮持。

掛竿持

掛竿持

もう1頭、牛が近づいてきます。

こちらは、替牛です。

替牛

替牛

牛車を引く牛が疲れたら交代するのでしょうか。

普段、スーパーで売られている牛肉以外、牛を見る機会はほとんどないので貴重であります。

祭のために牛を調達するのも手間がかかりそうですね。

灰色っぽい色の衣装を着た馬上の人物は、五奉行の一人増田長盛。

増田長盛

増田長盛

そして、最後尾も奉行の長束正家(なつかまさいえ)が騎馬で続きます。

長束正家

長束正家

五奉行の衣装は、すべて色が異なっていますが、やはり被らないようにしているのでしょうね。

牛車が通り過ぎても、まだ東の方角からギーコギーコの音が聞こえます。

この後は、織田公上洛列の登場です。

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