10月上旬。
京都市伏見区の長建寺に参拝しました。
長建寺は、酒蔵が建ち並ぶ伏見の街の一角にあり、周辺は江戸時代のような景観が残っています。
近くの宇治川派流では、十石舟も浮かんでおり、とても風情がありますね。
珍しい形の龍宮門
長建寺には、京阪電車の中書島駅から北に徒歩約5分で到着します。
宇治川派流に面した長建寺の龍宮門の前にやって来ました。
この龍宮門は、下構の部分に対して上構の楼閣部分がきわめて小さく、瓦も1枚ずつが小さくなっています。
また、軒下の棰(たるき)が中心から放射状に出る唐様となっており異国情緒を強めています。
このような構造は、建築学上貴重で、京都市内唯一の門と言われています。
建築されたのは、江戸時代とのこと。
龍宮門があるお寺自体が珍しいですよね。
カエルの形をした石
龍宮門をくぐると参道が本堂に向かって延びています。
参道わきに閼伽水(あかすい)が流れ出ているので、手を清めましょう。
閼伽水とは、仏に供える水のことです。
閼伽水の近くには、カエルの形をした石も置かれていますよ。
長建寺の信者の方が奉納したものだとか。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂には、島の弁天さんの通称で親しまれている八臂弁財天(はっぴべんざいてん)が祀られています。
開運、財運、良縁のご利益を授けてくれますから、良い縁に恵まれるようにお願いをしておきましょう。
本堂の前には、びんずるさんもいらっしゃいます。
体を撫でて祈願すると、なでた部分の病気が治ると信仰されています。
長建寺のびんずるさんは、200年ほど前に制作された像で、近年、信者の方が70万円を寄進して修理されたそうです。
だから、こんなに体がピカピカなんですね。
境内の中央には、不動明王を祀っているお堂が建っています。
お堂の中央には、山伏が描かれており、その上には、厄除開運不動明王が描かれています。
そして、左側には、病魔、悪鬼を払ってくれる青面金剛が、右側には、水の神、河の神として崇められている水天が描かれています。
境内の隅では、スイフヨウがひっそりと咲いていました。
龍宮門の近くに建つ鐘楼(しょうろう)。
かつては、三十石船に時を知らせた鐘が釣られていましたが、太平洋戦争で供出され大砲の一部となりました。
今は、建物だけが残り、みくじ舎となっています。
ちなみに長建寺のおみくじは、珍しい和歌のおみくじになっていますよ。
私が長建寺を訪れた日は、30度近くまで気温が上がり、夏のような暑さでした。
でも、境内の景色は、徐々に秋らしくなっていましたよ。
人が少なく落ち着いてお参りできました。
この後は、宇治川派流沿いを歩きます。
なお、長建寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。