8月16日。
夕方に京都市東山区の大谷祖廟に参拝しました。
大谷祖廟は、東本願寺の親鸞聖人の廟所で、毎年8月14日から16日に東大谷万灯会(ひがしおおたにまんとうえ)が催されます。
今回の参拝は、この東大谷万灯会を見ることが目的であります。
夕暮れ時に灯る提灯
大谷祖廟の最寄り駅は、京阪電車の祇園四条駅です。
駅からは、南東に徒歩約10分で、大谷祖廟の参道前に到着します。
時刻は午後6時過ぎ。
まだ空は明るかったですが、参道では多くの提灯に火が灯されていました。
東大谷万灯会は、夏の暑い時期、涼しい夜間に参拝できるようにと参拝者の足元を照らす提灯を灯したことが始まりとされています。
昔から京都の夏は暑いことで有名でしたから、日中にお寺に参拝するのが厳しかったのでしょう。
参道を進み、石段上の総門をくぐります。
境内にも、たくさんの提灯が吊るされていました。
保育園の園児たちが作ったこども提灯もたくさんありましたよ。
サルスベリも赤色の花を咲かせていました。
でも、花数が徐々に少なくなっているようです。
それでは本堂にお参りをしましょう。
本堂の中に入ると、ひんやりと涼しかったですよ。
お寺のお堂の中は、不思議と夏でも涼しいです。
境内の中央には、往生の花文字。
この花は、親鸞聖人御廟所に供えられた仏花を使用して再荘厳したものだそうです。
花文字の近くには、往生とはどういうことかを説明した紙が置かれていました。
それによると、往生とは、浄土に生まれようと願いなさいという仏様の呼びかけに応えて、私に開く歩みを表現したことばだそうです。
つまり、人生を私がどのように歩むのか、それはどういう方向なのかという問題です。
ところが、現代人は、小学校では中学校の準備、中学校では高校の準備、高校では大学の準備、大学では就職の準備と先に向けての準備に追われています。
気がついたら人生が終わっており、準備をしたけれど、何しに来たのだろうとなっていないでしょうか。
今、ここにある事実にしっかりと立たせるのが浄土の教えだそうです。
先の準備に追われることは、今、ここに生きている私を確かめないことなんですね。
深い教えです。
往生の花文字の近くには、竹の灯りもありました。
まだ明るかったので、火が灯っているのかどうかわかりにくいですね。
石段を上って御廟の前にやって来ました。
御廟では多くの参拝者がお参りをしていました。
石段上から提灯を見下ろします。
徐々に空が暗くなり、提灯の灯りが明るく見えるようになってきました。
石段を下り南門から境内の外に出ます。
そして、東大谷墓地の石段を上ってお堂の前にやって来ました。
夕日に照らされたお堂は、夏が終盤を迎えていることを教えてくれているようでした。
東大谷万灯会は、午後8時まで行われており、日が落ちると大谷祖廟の境内全体が提灯の灯りで彩られます。
参拝するなら、午後7時以降が良いでしょう。
なお、大谷祖廟の詳細については以下のページを参考にしてみてください。