1月下旬。
京都市伏見区の伏見稲荷大社にある松の下屋と御茶屋を拝観してきました。
この時期、京都では京の冬の旅という非公開文化財の特別公開が行われており、松の下屋と御茶屋も9年ぶりに公開されることになりました。
公開期間は1月10日から3月18日までです。
松の下屋
伏見稲荷大社の最寄り駅は、JRの稲荷駅です。
駅を出れば目の前に伏見稲荷大社の大きな鳥居があるので、迷うことはないでしょう。
京阪電車だと伏見稲荷駅で下車して、徒歩5分です。
目的の松の下屋と御茶屋は、外拝殿(げはいでん)の南側にあります。
拝観料600円を受付で納め、門をくぐります。
最初に拝観するのは松の下屋です。
玄関で靴を脱ぎ、2階に上がります。
なお、松の下屋も御茶屋も、室内の写真撮影は禁止です。
室内から外に向かっての写真撮影もできません。
松の下屋は、旧秦姓祠宮松本家の旧宅の跡で、大正年間(1912-1926年)に建てられました。
2階からは庭園を望むことができます。
庭園は、池泉回遊式で奥に小高い丘があり、その上に茶室の瑞芳軒が建っています。
室内の雰囲気は、京都御苑にある拾翠亭のような感じですね。
1階では、棟方志功(むなかたしこう)筆の襖絵が展示されていました。
また、初公開となる七大星韻図(ななだいせいいんず)壁画の中から、日昇昂韻図(にっしょうこういんず)、火華旺院図(かがおういんず)、初午ポスター原画もあり、こちらは期間中に展示替えが行われます。
私が見た作品の名は、どれだったか覚えていないのですが、見る角度によって赤色が濃く見えたり薄く見えたりするのが印象的でしたよ。
他に障子の敷居が木ではなく、石でできていたのも珍しかったです。
下の写真が、松の下屋の全景です。
御茶屋
松の下屋の次は、御茶屋に入ります。
御茶屋は、寛永18年(1641年)に後水尾上皇から御所の古御殿を拝領したものです。
茶室と言えば、入り口が狭くなっている「にじり口」があるのですが、御茶屋は、入り口がとても広くなっています。
また、書院造に数寄屋造の意匠が採り入れられているのも特徴的で、室内には所々に菊の御門もあります。
室内も、桃山時代の茶室に見られるような狭い空間ではなく、畳が何畳も敷かれた広い空間となっており、花頭窓からは松の下屋の前に広がる庭園を見ることができます。
欄間も、菱形のようになっていて、縦に筋が入る長欄間(おさらんま)とは異なっていましたよ。
下の写真に写っているのが御茶屋です。
特別公開中は、庭園の散策もできます。
庭園の丘の上に建つ瑞芳軒。
実は、私が拝観した日は、庭園にうっすらと雪が積もっていて足が滑りやすくなっており、庭園の散策はできませんでした。
なので、瑞芳軒の近くに行くことができず、建物が部分的にしか写せませんでした。
雪が降ったと言っても、伏見区は大したことなかったのですが、敷石やコケが白くなっているので、ここを歩くのは危なそうですね。
石段の辺りも雪が目立ちます。
庭園の池の一部。
池は、庭園の北から南に細長く配されています。
御茶屋の北側は、日が差さないため、コケの上の雪が解けそうにありません。
それにしても、御茶屋は上品なたたずまいであります。
さすが賓客をもてなすための茶室ですね。
伏見稲荷大社の御茶屋は、次はいつ公開されるかわかりませんので、京の冬の旅で特別公開されている期間にぜひ拝観してください。
なお、伏見稲荷大社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。