赤ちゃんの夜泣きが止むと伝わる本隆寺の夜泣き止め松

京都市上京区の西陣に法華宗真門流の総本山である本隆寺(ほんりゅうじ)が建っています。

本隆寺には、享保15年(1730年)の西陣焼けでも、天明の大火(1788年)でも、西陣一帯が焼け野原になったにもかかわらず、焼失を免れた本堂と祖師堂があります。

そのため、本隆寺は、不焼寺(やけずのてら)と呼ばれています。

その焼失を免れた祖師堂前には、1本の松が植えられており、赤ちゃんの夜泣き止めにご利益があると信仰されています。

松葉を枕の下に敷くと夜泣きが止む

本隆寺は、市バス停「今出川浄福寺」から北東に5分ほど歩いた辺りに建っています。

大永4年(1532年)の元旦。

本隆寺5世の日諦が昇堂すると、1人の女性が赤ちゃんを託して養育して欲しいと頼みました。

その赤ちゃんは、日諦に育てられることになりましたが、夜中に母親を慕って泣きます。

そこで、日諦は、赤ちゃんを抱いて祖師堂前の松の周りを巡ると、不思議なことに赤ちゃんの夜泣きがたちまち止んだそうです。

以来、祖師堂前の松は「夜泣き止め松」と呼ばれるようになりました。

その後、赤ちゃんはすくすくと育ち、智恵抜群で学識も高い大人に成長します。

そして、本隆寺7世の日脩となり、天正8年(1580年)に正親町天皇(おおぎまちてんのう)から、法院の称号を授かりました。

下の写真に写っているのが、本隆寺の夜泣き止め松です。

夜泣き止め松

夜泣き止め松

現在の松は3代目だそうです。

赤ちゃんの夜泣きがひどい場合には、日諦上人のように赤ちゃんを背負って松の周りを歩いてみると、おとなしくなるかもしれませんね。

夜泣き止め松の樹皮や松葉を枕の下に敷くと、子供の夜泣きが止むとも伝えられていますから、参拝時には木の下に落ちている松葉を拾って帰りましょう。

何と言っても、日諦上人が養った子供は、賢く育ち、天皇から法院の称号を授かるまでになったのですから、本隆寺にお参りをしておけば、赤ちゃんに知恵を授けてもらえそうです。

また、本隆寺に祀られている鬼子母神は、火災からお寺を守った「火伏せの鬼子母神」としても信仰されていますから、しっかりとお参りしておけば、火災除けのご利益も授かれそうですね。

京都には、他に三宅八幡宮や御所八幡宮も疳の虫封じのご利益を授けてくれると伝えられていますし、子育てのご利益を授けてくれる神社やお寺がいくつかありますよ。

なお、本隆寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。

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