5月下旬に京都市東山区の東福寺に参拝してきました。
この時期の東福寺は、洗玉澗(せんぎょくかん)の新緑が美しく、その風景を見るために通天橋と開山堂を拝観しました。
東福寺では、他にも八相の庭と呼ばれる方丈庭園の拝観もできます。
今回の参拝の目的は、通天橋と開山堂だったのですが、ついでに方丈にある八相の庭も鑑賞することに。
ということで、この記事では、八相の庭のうち、南庭と東庭の模様をお伝えします。
東庭(北斗の庭)
東福寺は、JRと京阪電車の東福寺駅から南東に5分ほど歩いた辺りに建っています。
八相の庭の入り口は、境内のやや東側に建つ庫裡(くり)です。
玄関で靴を脱ぎ、拝観受付で400円を納めて方丈へと向かいます。
廊下を北に進み、東側に目をやると白砂の上に石柱が7本置かれた庭園が現れます。
この庭園は、東庭です。
雲文様地割に円柱の石で北斗七星を構成していることから、北斗の庭とも呼ばれています。
確かに北斗七星の形をしていますね。
北斗の庭に使われている石柱は、東福寺の旧便所の東司(とうす)に使われている柱石の余石とのこと。
白砂の奥には、苔が敷かれています。
茶色い部分が目立ちますが、時期に緑色の苔で覆われることでしょう。
庭の奥に設けられている低めの生垣は、天の川を表現しています。
地面に描かれた夜空を眺めていると、白砂が星の輝き、苔が漆黒の闇のように見えてきますね。
南庭
東庭を見た後は、方丈へと向かいます。
おそらく、最初に南庭に進み、最後に東庭を鑑賞するのでしょう。
方丈は、明治23年(1790年)に再建されたもので、建物の周囲に設けられた4つの庭は作庭家の重森三玲が昭和14年(1939年)に作ったものです。
方丈の庭園は、蓬莱、方丈、瀛洲(えいじゅう)、壷梁(こりょう)、八海、五山、井田市松(せいでんいちまつ)、北斗七星の8つを八相成道(はっそうじょうどう)にちなんで八相の庭と名付けられました。
南庭には、東側から瀛洲、蓬莱、壷梁、方丈が、白砂の上に配された石組で表現されています。
また、庭の中央にある唐門は、昭憲皇太后の寄進と伝えられており、恩賜門と呼ばれています。
方丈の縁側の西から南庭を眺めます。
庭の奥に石組、手前に白砂が広がっています。
渦を巻いた白砂の文様は、八海を表現しているとのこと。
南庭の西端にある築山は五山です。
数えてみると、確かに築山が5つありますね。
苔の山と白砂の海。
奥の背の低い松の木は何を意味しているのでしょうか。
そういったことを考えるのも、禅寺の庭園鑑賞の楽しみのひとつであります。
南庭を見た後は、西庭と北庭へ向かいます。
なお、東福寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。