「今日は五十日(ごとび)だから道が混んで車が動かない」
このような話を聞いたことはありませんか?
五十日とは、5の倍数にあたる日のことで、江戸時代から商人たちがこの日に売掛金の回収を行う習慣がありました。
五十日に売掛金を集金する五十払いの習慣が今も続いているので、5の倍数の日には道路が混雑するわけですね。
五十払いの発祥地は、京都市左京区の赤山禅院です。
なぜ、このお寺が五十払いの発祥地なのでしょうか。
赤山と積算をかけた商売繁盛のお寺
赤山禅院の最寄り駅は、叡山電車の修学院駅です。
そこから東に20分ほど歩くと、赤山禅院の鳥居が見えてきます。
お寺なのに鳥居があるのが不思議な気もしますが、明治以前は神社の中にお寺があったり、お寺の中に神社があったりするのは当たり前のことでした。
赤山禅院だけでなく、今でも鳥居があるお寺をたまに見かけます。
昔から申の日の五日に赤山禅院に参拝すると吉運に恵まれるという言い伝えがありました。
それが、江戸時代に商人たちに赤山禅院は掛け寄せ(集金)の神様と噂されるようになり、やがて、五日講の縁日参りをしてから売掛金の回収をする習慣が生まれたそうです。
寺名の赤山と積算をかけた商売繁盛を祈願するお寺ということで、商人たちの信仰を集めたとも言われています。
現在でも、五十日には多くのお金が動きます。
給料日が25日だったり30日だったりするのも、五十日が由来なのでしょう。
クレジットカードの締め日や引き落とし日も、15日、20日、25日と五十日であることが多いですね。
五十日という言葉を知らなくても、五十日にお金の支払や回収をしている人は、現代でも非常に多いです。
そのような習慣が生まれたのは、赤山禅院の五日講の縁日参りからなのですから、商売をされている方は京都に旅行で訪れた時には、赤山禅院にも商売が繁昌するように祈願しておきたいですね。
京都を歩いたり車の運転をしている時、道が混んでいるなと感じたら、今日が何日なのかを思い出してみてください。
そして、五十日であれば、きっと道路が混んでいることに納得することでしょう。
五十日に道路が混んでいることは、京都の経済がうまく回っているということ。
道が混んでいると、イライラとしますが、そのおかげで景気が良くなっているのだと思えば、少しは京都の渋滞も我慢できますね。
なお、赤山禅院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。