2014年から祇園祭は、前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)の2回、山鉾巡行が行われることになりました。
前祭は7月17日、後祭は7月24日が巡行の日です。
これまでは、7月17日だけ山鉾巡行が行われており、それが本来の姿だと思っていた方も多いでしょうが、実は前祭と後祭の2回、山鉾巡行が行われるのが本来の祇園祭の姿なんですよね。
というわけで、7月17日に前祭の山鉾巡行を観覧しに四条河原町の交差点に行ってきました。
鶏山
前祭で巡行する山鉾は全部で23基。
私が四条河原町に到着した時は、すでに13基目の鶏鉾(にわとりほこ)が交差点に入ろうとしているところでした。
祇園祭の案内によると、鶏鉾は、中国・堯の時代、天下がよく治まって太平が続き、訴訟用の太鼓に用がなくなり鶏が巣を作ったという故事を題材にした鉾ということです。
鉾はとても高く、ビルの屋上に届きそうなほど長いですね。
ゆっくりと四条河原町の交差点に入っていきます。
鉾を90度回転させる辻回しの準備が行われています。
交差点の中央に進んだ鶏鉾の車輪の下にたくさんの竹が敷かれます。
そして、その上に前輪が乗ったところで、鉾全体を回転させます。
1回の回転では、完全に向きを変えることができません。
なので、もう1度、鉾を回転させます。
見事、90度回転した鶏鉾は、河原町通を北上していきました。
木賊山
14基目は、木賊山(とくさやま)です。
木賊山は、世阿弥の謡曲「木賊」を題材にした山で、わが子を人にさらわれて1人信濃国伏屋の里で木賊を刈る翁をあらわしたものです。
その翁の像が、山の上に立っています。
巡行の日は、日差しが強いので、しっかりと傘をさしていますね。
交差点の中央でいったん停止した後、山を持ち上げて90度回転。
山は鉾と違って小さめなので、回転させるのに時間を要しません。
でも、山を持ち上げるには、かなりの力が必要なはず。
無事に北を向くことができた木賊山も、鶏鉾の後を追って進んでいきます。
四条傘鉾
15基目に四条河原町の交差点に入ってきたのは、四条傘鉾です。
傘の上に御幣と若松を飾る四条傘鉾は、昭和60年(1985年)に117年ぶりに本体が再興され、巡行に復帰しました。
鉾にしては小ぶりな四条傘鉾。
回転させるのにそれほど手間がかからないのか、担ぎ手が、他の山や鉾と比較して少な目です。
四条傘鉾も無事に90度回転を済ませ、四条通から河原町通へと消えていきました。
この日の最高気温は35度ということで非常に暑かったのですが、巡行に参加している方たちは元気いっぱいでしたよ。
この後は、蟷螂山(とうろうやま)が交差点に入ってきます。