京都御苑の西に建つ護王神社。
この神社は、境内にたくさんのイノシシがいることで有名です。
お参りに行くたびにイノシシが増えていくので、訪れるのが楽しみな神社のひとつです。
京都の街を散策しやすい気候となった秋のある日、護王神社に参拝してきました。
沈まなかった高雄鑑
護王神社は、烏丸通に面した東側が正式な入口ですが、今回は北側から境内に入ってみました。
入口付近には、「足腰の守護神 いのしし 護王神社」と書かれた看板があります。
護王神社が、足腰の守護神として崇敬されているのは、イノシシと関係があります。
その昔、祭神として祀られている和気清麻呂(わけのきよまろ)が九州の宇佐八幡に赴く途中、突如、たくさんのイノシシが現れて道案内をしました。
足が弱っていた和気清麻呂でしたが、イノシシたちに道案内された後、不思議なことに足が回復したと伝えられています。
それが理由で、護王神社では、イノシシを狛犬の代わりにし、今も和気清麻呂を守護しているということです。
入口の近くには大きなさざれ石が置かれています。
これは、日本一のさざれ石だそうです。
さざれ石は、石灰石で、長い年月をかけて溶解し、大小さまざまな石が自然とくっついて、このような大きな石になったものです。
さざれ石の説明書には、平安時代に醍醐天皇が詠んだ歌が記されています。
君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで
この歌には、国民が心をひとつにして進めば、末永く平和で繁栄に向かうだろうという意味が込められているのだとか。
さざれ石から本殿に向かう途中には、護王大明神と書かれた石が立っています。その後ろには、足腰御守と書かれたオブジェもあります。
正月にお参りに来た時には、護王大明神の文字はが石に彫られているだけだったのですが、いつの間にか、金色になって見やすくなっていました。
それでは本殿にお参り。
こうやって京都散策ができるのも足腰が元気なおかげですね。
これからも永くブログを続けられるようにしっかりとお参りしておきました。
本殿の前に建っている舞殿。
その舞殿には、戦艦「高雄」の額が飾られていました。
この額は「忠列」の額というそうです。
昭和7年(1931年)、当時の乗組員の請願により高雄鑑内に護王神社の分霊が祀られました。
そのご加護によって、武運に恵まれ、沈没することなく終戦を迎え、当時の乗組員たちは、幾度となく護王神社に参拝したということです。
きっと護王神社が足腰の守護神だから、沈まなかったのでしょう。
船に乗る仕事をされている方は、護王神社にお参りしておくと良さそうですね。
イチョウの木は、やや黄色くなってきたところ。
金色に色付くのは11月中旬頃でしょうか。
休憩所の近くには、イノシシの顔が。
これは以前からあったのでしょうが、気付きませんでした。
手水屋の逆立ちしている猪はいつも通り、口から水を吐きだしていましたよ。
なお、護王神社の詳細については以下のページを参考にしてみてください。