木津川にかかる流れ橋が、2013年9月の台風で流されてしまいました。
これで5年連続の流失です。
流れ橋という名は通称で、正式には上津屋橋(こうづやばし)といいます。
川が増水し、橋桁まで水位が達すると、橋床が流れてしまうことから流れ橋と呼ばれています。
でも、橋床はワイヤーでつながっているので、流されても、水位が下がれば、再び回収することができるので、すぐに修復できます。
補強したけど流された
このブログでも、2009年に流された時の写真を過去記事に掲載しています。
もちろん、その後、修復され、今まで以上にしっかりと補強されて、そう簡単には流されないようになったわけです。
しかし、流されないはずだったのに毎年流されています。
流れ橋は、木造の橋で、時代劇の撮影でよく利用されています。
周囲の景色ものどかで、京都の自然200選に選ばれているほどです。
だから、木造の流れ橋は、周囲の景観とぴったりと調和するわけです。
2009年に流された後の修復では、橋桁をコンクリート製にし、強度が増したのですが、自然の猛威の前では無力だったようです。
壊れた流れ橋は、そのたびに修復され、もとの状態に戻るわけですが、その費用は、京都府民の税金から出されます。
ラジオのニュースによれば、2013年の流れ橋の修復には、4千万円だったか5千万円だったかの費用がかかるとのこと。
一流れ数千万円の費用がかかることから、修復工事に対して、府民から不満の声が上がっているそうです。
確かに毎年毎年流されて、そのたびに数千万円ですからね。
もう修理せずに放置したらどうなんだという声が上がるのもわかります。
そもそも橋桁をコンクリート製にしたことが間違いだったかもしれませんね。
自然の猛威の前では、コンクリート製にして強度を増しても、意味がないのかもしれません。
それだったら、以前のように完全に木造として、増水したらすぐに流れてしまう方が、修復費用も抑えられて、手間もかからないのではないでしょうか。
五木寛之さんの「養生の実技」という本の中で、北国の太くて立派な枝を持つ木は、雪が降り積もるとその重さで、枝が折れてしまうため、枝を支えるために雪釣りをするといったことが書かれています。
これは、頑丈な木だから、枝に雪が積もると折れてしまうからです。
でも、柳のようによくしなう枝は、雪が積もっても、折れることはありません。ある程度雪が積もったところで、枝が下に曲がってしまい、雪が滑り落ちていくからです。
雪が滑り落ちた後の枝は、再び元の状態に戻ります。
つまり、頑丈なものは壊れてしまいやすいけど、柔軟性のあるものは、負荷をうまく受け流すことができるので、壊れにくいということです。
流れ橋もこの原理を利用したらどうでしょうか。
以前の木造の時のように増水したらすぐに流れるようにしておけば、大打撃を受けにくいと思うのですが。
なお、2013年9月に流れ橋が流失した時の様子は、橋の近くにある四季彩館という宿泊施設のブログに写真が掲載れています。こちらのブログでは、流れ橋が流されるたびにその模様をレポートされています。施設にも流失時の写真が展示されることがありますよ。
流れ橋が流出しました。翌日です。2014年5月6日追記:左記ブログは閉鎖しています。