京都市左京区の聖護院(しょうごいん)の特別公開に行ってきました。
特別公開されたのは、非公開文化財です。
京都市観光協会が主催している「京の冬の旅」という企画で、普段見ることができない聖護院の文化財が展示されます。
本物の狩野派の襖絵
聖護院は、京阪電車の神宮丸太町駅から東に10分ほど歩くと到着します。
拝観料は600円。
靴を脱ぎ、建物内に入ると、ガイドの方が聖護院の成り立ちを解説してくれます。
聖護院は、寛治4年(1090年)に白河上皇から当地を賜った山伏の増誉(ぞうよ)によって創建されました。
その後、後白河天皇の皇子の静恵法親王(じょうえほっしんのう)が入寺して以降明治維新まで、皇室関係者が門主となる門跡寺院(もんぜきじいん)として栄えます。
応仁の乱などたびたび火災に見舞われ、あちこちと移転を繰り返したそうですが、江戸時代前期に後水尾天皇の皇子の道寛法親王が再興したということです。
最初の解説を受けた部屋には、山伏が修行に使うホラ貝や背中に背負う笈(おい)などが展示されていましたよ。
次は宸殿(しんでん)に進みます。
宸殿内には、絵が描かれた金色の襖があります。
これらの襖絵は、狩野派が描いたもので、全て本物です。
他の寺院に行くと、複製品だったりするのですが、聖護院では本物を見ることができるので、とても貴重です。
ちなみに写真撮影は禁止です。
宸殿は、天明の大火(1788年)で御所が炎上した時には光格天皇が、安政元年(1854年)の火災の時には孝明天皇が仮皇居として利用したということです。
宸殿の前には、きれいな市松模様が描かれた白砂の庭が広がります。
秩序整然と四角が描かれた庭を見ていると、身が引き締まる思いがしますね。
ただ、ちょっと残念なのが、塀越しにマンションやビルなどが目に入ることです。
時代の流れなので、仕方ないことではあるんですけどね。
本堂と書院
宸殿の次は本堂にお参り。
本堂には、不動明王が祀られています。
宸殿と本堂の間にある庭。
左端に写っている建物は書院です。
書院にもきらびやかな襖絵があります。
襖の上には変わった造りの欄間(らんま)もあります。
また、部屋の奥には、透かし彫りがあり、これはロウソクの明かりで影が揺れるような細工になっているとのこと。
書院の隣に小さな庭がありました。
庭には牛が1頭。
置き去りにされたフクシマの牛を忘れない思いで置いたものだそうです。
先ほどの中庭の隣にも小さな庭がありました。
白砂がまるで雪のようです。
真っ白な椿も咲き始めていましたよ。
建物内を一通り見て回ったので、出口に向かいます。
出口の近くでは、絵はがきを1枚いただくことができました。
10種類くらいある中から気に入ったものを1枚選ぶようになっていたのですが、余っていたのは3枚程度でした。
ちなみに私が頂いたのは、門の写真が付いている絵はがきです。
この記事の最初の写真に写っている門ですね。
当然ながら、絵はがきはプロが撮影した写真なので、私が撮影した写真なんかよりも格段にきれいでしたよ。