11月下旬に京都市東山区の悲田院に参拝した後、西に約10分歩き、東福寺にも参拝しました。
東福寺は、京都で最も人気がある紅葉の名所の一つで、この時期は大勢の旅行者や観光客の方が訪れます。
京都に紅葉を見に訪れるなら東福寺は外せないという人は多いですね。
今回は、東福寺を訪れる予定はなかったのですが、せっかく近くまで来たので立ち寄ることにしました。
通天橋や本坊庭園には入らず、ただ境内を歩きながら紅葉を見ることにします。
参道の紅葉
東福寺には、JRまたは京阪電車の東福寺駅から南東に約5分歩くと到着します。
悲田院から住宅街を抜け、東福寺の北側にやって来ました。
ここに東福僧堂と書かれた屋根のない門があります。
南に向かって参道が延びていますが、足元に立入禁止と書かれた板が置かれているため、一般の参拝者がこれより先に進むことはできません。

東福僧堂の入り口
参道の左右に植えられたカエデは、青葉を1枚も残さず紅葉し、真っ赤なアーチを描いていました。
無意識に歩を進めたくなる美しさ。
一度はこの参道を歩いてみたいものです。
さらに西に100メートル進むと一般の参拝者が歩ける参道が現れます。
駅から続々と人が流れ込んできますが、この時期にしては意外と少なめ。
参道に植わったカエデは、ほとんどの葉が赤色で、紅葉が見ごろの最盛期を迎えていました。

参道
参道沿いに建つ同聚院(どうじゅいん)の一部はカフェに変身。

カフェ
このまま南に進むと臥雲橋(がうんきょう)があり、洗玉澗(せんぎょくかん)を望めます。
洗玉澗は東福寺の紅葉の見どころ。
11月は臥雲橋からの写真撮影が禁止されていたのですが、この日は、撮影する人がいても警備員が注意することはありませんでした。
撮影禁止を解除したのか、それとも人が少なかったので注意しなかったのでしょうか。
理由はわかりませんが、橋の上で混雑すると危険なので、臥雲橋からの撮影はやめておきました。
臥雲橋を過ぎ、左手の斜面に生えたコケと所々に植わったカエデを見ながら歩きます。

苔と紅葉
初めて東福寺に紅葉を見に来た人は、ここを歩くだけで期待に胸が膨らむはず。
まだ門もくぐっていないのに、これほどの紅葉を見られるのですから。
境内の紅葉
日下門をくぐり境内に入ります。
右手に建つ禅堂わきのカエデは、全身真っ赤に衣替え。

禅堂と紅葉
曇っていたので、油絵みたいなべったり張り付いた赤色ですが、晴れていれば、透き通るような輝きを見せてくれたはずです。
左手の経蔵わきの紅葉も見ごろ。

経蔵と紅葉
通天橋の受付は、列ができるほどの混雑はなく、洗玉澗の中も比較的空いていたかもしれませんね。
大混雑を覚悟して東福寺を訪れた人は、肩透かしにあったでしょうが、きっと嬉しい誤算だったに違いありません。
境内の中央に建つ仏殿にお参り。

仏殿
戸の隙間から天井に描かれた龍もしっかり拝んでおきましたよ。
仏殿の東側には、床几台がいくつも置かれ、境内はちょっとしたお祭り気分に。
晩秋は、東福寺が1年で最も賑やかになる季節です。
仏殿から参道を東に進みます。
この参道は、最勝金剛院に続き、脇には何本かのカエデが植えられています。

東に向かう参道
参道のカエデは、色づいていたものの、赤色の葉が少なく、ほとんどが黄色。
南側に立つ背の高い木が壁のように太陽光を遮り、参道全体が日中でも薄暗く感じます。
人を引き付ける真っ赤なモミジになり切れないのは、これが理由ですね。
参道の途中に建つ宗務本院(大慧殿)の前に針金のような生け花を発見。

生け花と紅葉
ちらほら咲いている小さな白い花は桜のように見えますが、よくわかりません。
赤色の小さな実も、遠目からだとナンテンのように見えますが、近づくと表面にぶつぶつがあるので違うよう。
他に握れるくらいの大きさで、キリンの頭のような形をしたオレンジ色の物体も吊るされていました。
なんとも不思議な生け花。
奥に見える紅葉が良い色付きだったのにこの生け花ばかりに気を取られてしまいましたよ。
参道を仏殿まで戻り、そこから南に歩き三門付近へ。
膝上くらいの高さのツワブキが、黄色い花を咲かせ、紅葉と同じく見ごろを迎えています。

ツワブキと紅葉
晩秋はツワブキもよく見かけますが、紅葉ばかりが注目されるため無視されがちです。
12月以降に咲けば、もっと意識されるのでしょうが。
最後に思遠池越しに三門を眺めます。

三門と紅葉
手前の紅葉は、オレンジ色が混ざっていましたが、間もなく真っ赤になりそうでしたよ。
11月下旬の東福寺は紅葉が見ごろを迎えていました。
でも、人は例年より少ないようで、大混雑している感じはなかったです。
紅葉の見ごろは12月5日頃まで続いたのではないでしょうか。
なお、東福寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。