10月22日に木屋町三条に見に行った時代祭。
室町幕府執政列が通過した後は、室町洛中風俗列がやって来ます。
河原町三条で風流踊りが始まった
室町洛中風俗列も、室町幕府執政列と同じく室町時代の列です。
奉仕するのは、深草室町風俗列保存会。
室町洛中風俗列が河原町三条に姿を現しました。
そのまま三条通を東に進むのかと思いきや、列が展開し風流踊り(ふりゅうおどり)を開始。

風流踊り
風流踊りは、室町時代後半に経済力を蓄積した京の町衆によって盛んに催されたもの。
風流傘を中心に内側に囃子方で構成する中踊りと踊り手で構成する側踊りからなっています。
笛や摺鉦の音色が賑やかに響き、交差点の観覧者をくぎ付けにしていましたよ。
当時の風流踊りは、男性が奇抜な仮装や派手な衣装で着飾っていたそうですが、時代祭では男女混成になっています。
全国各地に広まり、様々な芸能を生み出し、江戸時代以降の盆踊りの原型になっています。
私が観覧していた場所から河原町三条までは200メートルくらい離れていましたが、笛や鉦の陽気な音が聞こえてきます。

摺鉦や笛
赤い髪の鞨鼓童(かっこわらべ)が跳ねまわったり、棒振がくるくると棒を振ったり、時代祭の中で最も賑やかなのが、この風流踊り。
ただし、どこで始まるかわからないので、風流踊りを見られるかどうかは運しだいです。
向かってくる室町洛中風俗列
風流踊りが終わり、大きな団扇を先頭に室町洛中風俗列が三条通に入って来ました。

室町洛中風俗列
団扇と並ぶように歩いてくる黒い衣装の人は供奉長。

南蛮人
不思議な格好をしていますが、これは南蛮人の姿を再現したもので、2011年に初めて登場しました。
室町時代の終わり頃は戦国時代となりますが、この頃にヨーロッパから日本にやってくる船も見られるようになり、鉄砲を伝えたポルトガル人は南蛮人と呼ばれていました。
大きな風流傘の前を鞨鼓童、摺鉦、笛、太鼓受、太鼓打童が進みます。

傘
緑色やオレンジ色の衣装が艶々しており、こんな派手な衣装で踊りを楽しめる室町時代の町衆は、経済的に豊かだったんだなと想像させてくれますね。
ゆっくりと列が近づくにつれ、笛の音が大きくなってきます。

笛
甲高い音色が、曇り空で沈みそうな気分を晴れやかにしてくれます。
笛の後方から太鼓受と太鼓打童が続きます。

太鼓受と太鼓打童
太鼓打童は、先ほどの鞨鼓童より年長です。
中学生か高校生でしょうか。
風流傘の後ろを音頭取と側踊りが進みます。

側踊り
側踊りは数が多く、数十人はおり、両手に持つ木の棒を叩きながら目の前を通過していきましたよ。
この後、風流踊りは、木屋町三条の交差点でも行われました。
河原町三条と木屋町三条の中間くらいにいた私は、なんとも中途半端な場所で2回の風流踊りを見ることになったのでした。
なお、室町時代の行列は動画も撮影しているのでご覧になってください。
次は、楠公上洛列の登場です。