元日に京都市東山区の安井金比羅宮に参拝した後、北東に約15分歩き、円山弁天堂を訪れました。
円山弁天堂は、その名のとおり、弁財天を祀るお堂です。
ヘビを神使とする弁財天には、巳年の元日に参拝しておきたいと思い初詣に行ってきました。
ねねの道と円山公園
円山弁天堂には、京阪電車の祇園四条駅から東に約10分歩くと到着します。
今回は、安井金比羅宮から東に歩き、途中でねねの道を北進して円山弁天堂に向かいました。
元日のねねの道は、それほど人が多くないですね。
桜の季節だと、大勢の旅行者や観光客で道が狭くなっているのですが。
人が少なく歩きやすいのが、冬の京都観光の魅力の一つですね。
ねねの道から円山公園にやって来ました。
円山公園は人が多めですね。
近くに八坂神社があるので、初詣の後に立ち寄った人たちなのでしょう。
木々から葉が落ち、公園全体の見晴らしがよくなっていましたよ。
円山公園内を東に向かって歩いていきます。
小川沿いでは、まだ紅葉が残っていますね。
昨年の紅葉は遅くに見ごろを迎えたので、年明けでも、残っているのを見かけます。
料亭の左阿弥は、門が閉まっていました。
さすがに元日は営業しないのでしょう。
円山弁天堂
円山公園の東端に建つ円山弁天堂に到着。
普段はほとんど人がいないのですが、私がやってきた時には、数人の参拝者がいました。
やはり、巳年の元日に弁財天にお参りをしようと考える人は私だけではないようです。
鳥居の奥に本堂があるのでお参りをしましょう。
祀られているのは、吉水弁財天で、建久年間(1190-1199年)に慈鎮和尚(じちんかしょう)が安養寺境内の名水「吉水(よしみず)」のほとりに叡山無動寺から勧請(かんじょう)しました。
慈鎮和尚は、愚管抄を書いた慈円のことですね。
後に遍照という琵琶法師が、技芸上達を吉水弁財天に祈願して有名になり、後小松天皇の恩寵を蒙って盲人ではじめて紫衣を賜ったことから、そのお礼にお堂を建立したことから、紫衣弁財天とも呼ばれるようになったといわれています。
また、鎌倉時代の刀工である粟田口藤四郎吉光が、弁財天の相槌を得て、吉水で名刀を打ち有名になったとも伝えられています。
今もお堂の下に吉光が用いた鉄砧(かなとこ)石が残っているそうですが、どれがそれなのかわかりませんでした。
本堂の南側には、「法然上人閼伽(あか)の水 吉水の井」があります。
浄土宗の開祖の法然上人は、吉水に草庵を営んだことは有名ですね。
吉水の井の近くには、細い滝も流れ落ちていました。
こちらは重要文化財の慈鎮和尚宝塔です。
本堂の前には、除災招福や所願成就を祈願するために奉納された桶がいくつも並んでいました。
弁天堂の裏堂には、宝珠を頂上に頂いた巨大な白蛇に変じた宇賀神将尊も祀られています。
宇賀神将尊は、虚空蔵、地蔵尊、観音の合成神で、知恵と慈悲を兼ね備えた大福神とされています。
弁財天が持つすべての威力を代行し、特に技芸上達、学術向上、商売繁盛、子孫繁栄、愛敬増幅、除災招福のご利益があると信仰されています。
巳年である今年は、弁財天とともに宇賀神将尊にもお参りしておけば、大いにご利益を授かれそうですね。
そろそろ円山弁天堂から出ましょう。
短時間でしたが、良いお参りができました。
この後は、知恩院に参拝します。