10月上旬に京都府八幡市の神應寺に参拝した後、男山の奥に向かって歩きました。
向かう先は、杉山谷不動堂です。
杉山谷不動堂は、神應寺の奥の院ですから、当寺の境内地になります。
山の中に建つお堂
杉山谷不動堂には、京阪電車の石清水八幡宮駅から南東に約10分歩くと到着します。
杉山谷不動堂に向かう途中にある石段脇には、南無大聖不動明王と記されたのぼりがたくさん並んでいます。
のぼりが続く方に向かって歩いていけば、杉山谷不動堂にたどり着けます。
そして、杉山谷不動堂にやって来ました。
周囲は山に囲まれ、ひっそりと静まり返っています。
厄除延命地蔵尊を祀るお堂。
中には、少し赤みのあるお地蔵さまが立っていらっしゃいました。
境内の奥には、三角形の屋根を持つ変わった形の不動堂が建っています。
それでは、不動堂にお参りをしましょう。
杉山谷不動堂の説明書によると、かつて、この地域には諸人に害を加える怪異なことが起こっていたそうです。
そんな時、諸国行脚の途にあった弘法大師が、これを聞き、法力によって妖怪を封じ、お告げにより大和国から厄除け不動尊をこの地に祀り、また、十一面観世音菩薩像と大師像も自刻して安置し、諸人の害を除いたそうです。
これが、杉山谷不動堂の始まりとのこと。
不動堂の南側には、十一面観世音菩薩を祀る観音堂が建っているので、こちらにもお参りをしましょう。
不動堂は、後に天正17年(1589年)に再建され、織田家、豊臣家、徳川家の崇敬厚く、歴代将軍も寄進してきました。
しかし、昭和10年(1935年)8月11日の山津波で堂宇は倒壊します。
ところが、不動尊には傷は全くなかったので、仮堂に安置することにしました。
そして、昭和47年1月に発起人の発願により復興が始まり、翌昭和48年に不動堂と観音堂が落慶しました。
ひきめの滝
不動堂から参道を戻ると、途中で谷に向かって続く道が現れます。
その道の入り口には、鳥居があります。
鳥居をくぐってまっすぐ進むと、谷に橋が架かっており、その向こうに小さな休憩所があります。
そして、休憩所から奥に進んだところにひきめの滝と呼ばれる滝があります。
今でも滝行を行う人がいるそうですが、その際には、事前に不動堂に申し出る必要があります。
清らかな2筋の水の流れ。
滝の周囲には、数体の不動明王像が置かれています。
滝と言えば、不動明王をよく見るのですが、何か関係があるのでしょうか。
ちょっと調べてみました。
弘法大師空海が、唐から密教を日本に伝えたのと一緒に不動明王も伝来しました。
そして、密教の教えが日本古来の山岳信仰と結びつき修験道となります。
修験道の修行の一つに滝行があることから、不動明王と滝が結び付いたと考えられているようです。
また、不動明王と滝の関係については、以下のブログでも興味深く考察されています。
そろそろ杉山谷不動堂から出ましょう。
参道を男山のふもとまで歩いていくと、朱色の鳥居が建っています。
この鳥居を見ると、不思議と下界に戻ってきたような気がしますね。
滝の水は、鳥居を超えて、石清水八幡宮の方に向かって流れていましたよ。
この後は、飛行神社に参拝します。
なお、神應寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。