11月初旬に京都市中京区の天性寺に参拝した後、隣の矢田寺に立ち寄りました。
矢田寺は、寺町三条の人通りが多い一角に建つ浄土宗のお寺です。
ただ建物が建っているだけなので、一見すると商店のような感じです。
買い物の後に立ち寄る方もおり、地元の人々に親しまれているお寺であります。
提灯がいっぱいのお堂
矢田寺には、地下鉄の京都市役所前駅から寺町通を南に約5分歩くと到着します。
周囲の商店や隣の交番に溶け込むようにして建つ矢田寺のお堂。
中に入ると、右手にしあわせ大日如来の小さなお堂が建っています。
お堂の周囲は、赤色の提灯がいっぱい。
こちらは、手作りのお地蔵さまです。
石のお地蔵さまも、いらっしゃいますよ。
矢田寺は、小さなお寺ではありますが、その歴史は古く、奈良県の矢田山金剛山寺(やたさんこんごうぜんじ)の別院として延暦15年(796年)に創建されたと伝えられています。
また、開山の満慶に小野篁(おののたかむら)が帰依して、弘仁13年(822年)に2人によって創建されたともいわれています。
当初は、下京区の五条坊門にあったのですが、天正年間(1573-1592年)に現在地に移ってきています。
お堂には、大きな鐘が吊られており、送り鐘と呼ばれています。
東山の六道珍皇寺の迎え鐘に対するもので、死者の霊を迷わず冥土へ送るために撞く鐘です。
矢田寺は、毎年8月16日には、送り鐘を撞く参拝者で賑わいますよ。
今は、新型コロナウイルスの感染防止のため、送り鐘を撞くことはできません。
本堂に祀られているお地蔵さまは、満慶が冥土にいき、そこで出会った生身のお地蔵さまの姿を彫らせたものと言われ、地獄で人々を救うとして、代受苦(だいじゅく)地蔵尊と呼ばれています。
高さは2メートルもあります。
それでは、本堂にお参りをしましょう。
本堂には、矢田地蔵尊の扁額がかかっています。
矢田寺は、矢田地蔵の愛称でも呼ばれていますよ。
お堂の中には、たくさんの絵馬が奉納されていました。
お堂の中は提灯がいっぱい吊るされているので、全体的に赤色の空間になっています。
私が矢田寺にいる間、途切れることなく参拝者が訪れていました。
それほど多くの参拝者が訪れていたわけではありませんが、人々に親しまれているお寺だと実感しましたよ。
お参りを済ませたので、矢田寺から出ることに。
寺町に買い物で訪れたときには、ぜひ矢田寺にも立ち寄ってください。
この後は、誓願寺に参拝します。
なお、矢田寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。