6月中旬に京都市西京区の善峯寺を訪れました。
観音堂に参拝した後は、境内の東側から北に向かって進みます。
善峯寺は、とても広いので、拝観案内を見ながら順路に従って歩いた方が、見るべきものを見逃しにくくなります。
天然記念物の遊龍の松
境内の東側にやってきました。
ここには、鐘楼堂が建っています。
つりがね堂とも呼ばれていますよ。
鐘楼堂に吊るされているのは、徳川綱吉の厄年にあたり、母の桂昌院が寄進した厄除けの鐘です。
50円以上の志納で、撞くことができますよ。
厄除祈願をしておきたい方は、撞いておくと良いでしょう。
鐘楼堂の近くでは、紫色のアジサイが咲いていました。
アジサイの向こうには、京都市街が見えます。
鐘楼堂の近くに建つのは、護摩堂。
護摩堂には、不動、降三世、軍荼利、大威徳、金剛夜叉の五大明王が本尊として祀られていますよ。
護摩堂から西に進むと、京都三名松のひとつに数えられる遊龍の松があります。
遊龍の松は、横に横に地を這うように伸びています。
現在の全長は37メートルもあります。
北から南に向かって10メートルほど伸び、そこから直角に西に曲がり、境内の中央に向かって30メートルほど伸びています。
上から見たら、L字になっていることでしょう。
「遊龍」は、安政4年(1857年)に花山院家厚によって命名されたそうです。
緑色の松の葉が、まるで龍の背中のようであります。
遊龍の松は、樹齢600年の五葉松で、かつては54メートルもありました。
しかし、平成6年(1994年)に虫食いの被害にあい、15メートルほど切っています。
短くなったとはいえ、その姿は立派で、国の天然記念物に指定されています。
開山堂からの眺め
遊龍の松の近くには、元和7年(1621年)に賢弘法師によって再建された多宝塔が建っています。
中には、愛染明王が本尊として祀られていますよ。
多宝塔の西側に建つ経堂の脇には、桂昌院お手植えの枝垂れ桜が植えられています。
さすがに梅雨なので、花は咲いていませんが、樹形が美しく、葉も生き生きとした緑色でした。
経堂は、宝永2年(1705年)に建立されたもので、中には、中国南北朝時代の僧である傅大師(ふだいし)が奉安されています。
他にも鉄眼版一切経も納められています。
現在は、祈願成就の絵馬堂となっていますよ。
遊龍の松から北へ歩きます。
右手には、アジサイが多く植えられており、その奥は崖となっています。
アジサイを見ながら、京都市街を望みます。
善峯寺は、山の上に建っているので、境内のどこからでも、このような絶景を見ることができます。
これも、善峯寺の見どころのひとつですね。
先ほどの厄除けの鐘の音が響いてきました。
この風景を見ながら鐘の音を聞いていると、心が浄化されていきます。
東を向いて建っているのは、開山堂です。
貞享2年(1685年)に建立された建物で、中には、善峯寺の開山の源算上人の像が祀られています。
源算上人の像は、なんと117歳の時のお姿だそうです。
長生きできるようにしっかりとお参りしておきましょう。
開山堂の前でも、絶景が広がります。
開山堂が崖を向いて建っているのは、源算上人がこの景色を眺められるようにするためなのでしょうか。
紫色のアジサイとピンク色のサツキが、青空の下で気持ちよさそうに咲いていました。
梅雨にしては珍しく、爽やかな青空が頭上に広がっていましたよ。
この後は、桜あじさい園にアジサイを見に行きます。