10月26日に行われた時代祭は、藤原時代の行列までが通過しました。
藤原時代の次にやって来たのは、延暦時代の行列です。
延暦武官行進列
延暦時代の最初に登場するのは、延暦文官行進列です。
延暦文官行進列は、延暦20年(801年)に征夷大将軍の坂上田村麻呂が東征を終えて平安京に凱旋する様子を再現しています。
ちなみに坂上田村麻呂が蝦夷から連れてきた阿弖流為(あてるい)と母礼(もれ)の顕彰碑が清水寺にありますね。
この時代の兵士たちの鎧は、後の時代の兵士の鎧よりも簡素です。
頭に兜をかぶり、胴に鎧を着ているだけで、腕や足は無防備です。
兵士たちがゆっくりと進みます。
そして、兵士たちの後ろからは、馬に乗った武将が続きます。
葦毛の馬に乗った重装備の武将が主将です。
この主将が坂上田村麻呂です。
鉾持や弓持を従え、甲冑はいかにも大将といった感じの金色の装飾がほどこされています。
主将の後ろから続く騎馬は副将です。
こちらは将佐。
延暦時代の考証資料は少なく、時代祭では、正倉院御物や古墳の出土品などによって行装を復元し、その後の研究結果をもとに逐次改良が加えられているとのこと。
なので、来年以降の時代祭では、延暦時代の行装は今年とは違ったものになっている可能性があります。
とは言え、そんなに大幅に変わることはないと思いますが。
延暦文官参朝列
延暦武官行進列の次にやって来たのは、延暦文官参朝列です。
延暦15年に文官が、朝賀の儀式のために参朝する様子を模したものです。
この時代の服装は朝服(ちょうふく)で、身分によって着用している袍(ほう)の色が異なります。
三位は、薄紫色。
三位ともなると、色に落ち着きがあります。
時代祭の行列がすべて平安神宮に到着すると、三位が代表して大極殿に上り、祭文を奏上します。
四位は、深緋色。
五位は、浅緋色。
そして、六位は深緑色です。
六位の色は、地味に見えますね。
平安時代と一口に行っても、初期の延暦時代は、まだ奈良時代の服制が受け継がれており、唐風であるのが特徴的です。
そのためか、延暦文官参朝列は、昔の中国の雰囲気がありますね。
延暦時代の行列が、時代をさかのぼっていく行列の最後です。
平安京以前の奈良時代や飛鳥時代が登場しないのは、京都のお祭りだからなんでしょうね。
この後は、神饌講社列の登場です。