毎年秋になると、京都市下京区の梅小路公園にある朱雀の庭で、藤袴と和の花展が催されます。
2019年は、9月28日から10月14日までが開催期間です。
藤袴と和の花展は、自生種のフジバカマを見ることができる貴重な機会で、秋になると楽しみにしている方も多いと思います。
10月上旬。
私も藤袴と和の花展を見てきました。
青空の下で見るフジバカマ
梅小路公園の最寄り駅は、JRの梅小路京都西駅です。
梅小路京都西駅は、2019年春にできたばかりの新駅で、梅小路公園の朱雀の庭の入り口には2分ほど歩けば到着します。
入り口には、藤袴と和の花展の案内が出ています。
門をくぐり階段を上って2階に行くと、自動券売機があるので、ここで200円券を購入し自動改札をくぐります。
2階から朱雀の庭に入り、遊歩道を歩いて行くと、なだらかな丘の上に出ます。
そして、丘を下ると、庭園の中央に池が現れます。
丘の上には急流の滝があり、池に向かって勢いよく水が流れ落ちてきます。
滝が流れ落ちる辺りでは、シュウカイドウがピンク色のきれいな花を咲かせていました。
庭園の西側にやって来ると、水鏡にたくさんのフジバカマが置かれています。
緑の館を背景に見るフジバカマ。
フジバカマの花は、濃い紫色を思い浮かべる人が多いと思いますが、自生種のフジバカマは白っぽい薄紫色をしています。
あまり目立たない色ですが、園芸種のフジバカマよりも落ち着きのある色であります。
私が朱雀の庭に訪れた日は晴天ということもあって、アサギマダラもたくさんやってきていました。
フジバカマの花にとまり蜜を吸うアサギマダラは、時折吹く強い風にも負けず、花から離れません。
フジバカマには、ピロリジジンアルカロイド(PA)という化学物質が多く含まれており、アサギマダラはこれを体内に取り込むために好んで訪花すると考えられているそうです。
PAは鳥類などの天敵から身を守る防御物質や雄の性フェロモンの原料として利用されていると考えられているとのこと。
そのため、フジバカマにやって来るアサギマダラは、圧倒的に雄が多いそうですよ。
また、2015年と2017年に京都市内で捕獲されたアサギマダラが、約2,000km離れた台湾で見つかっており、その飛行距離の長さに驚かされます。
晴れた日は、水鏡に周囲の景色も映り込み、フジバカマもよりきれいに見えます。
近くでフジバカマの花を見ると、とても柔らかそうです。
綿菓子のようで、つい食べてみたくなりますね。
出口付近では、カエデの葉が早くも色付き始めていました。
京都は10月に入っても、まだ気温が高いのですが、赤く色づいているカエデの葉を見ると季節は確実に秋になっていることを実感します。
10月の京都では、様々な場所で自生種のフジバカマを観賞できる行事が行われています。
なので、10月に京都にお越しになると、何気ない場所でフジバカマを見られるかもしれませんよ。