毎年5月15日は、上賀茂神社と下鴨神社の祭礼の葵祭路頭の儀が行われます。
路頭の儀は、葵祭の中で最も人気がある行事で、午前10時30分に京都御所を出発した行列が、下鴨神社を経由して午後3時30分に上賀茂神社に到着します。
行列が通る道路の歩道では、多くの観光客や旅行者の方が葵祭の行列を観覧し、とても賑わいます。
今年、私は出町橋の西側で葵祭の行列を見てきました。
本列
午前11時頃に出町橋の西側にやってきました。
河原町今出川を行列が通過するのは、午前11時15分頃。
私が陣取っている場所に行列がやって来るのは、さらに5分から10分くらいはかかります。
午前11時20分を過ぎた頃に行列の先頭がやってきました。
先頭の2騎の馬の鞍には「POLICE」と書かれており、お巡りさんが騎乗しています。
葵祭りの行列は、大きく本列と斎王代列に分かれています。
本列の最初は、乗尻(のりじり)、検非違使志(けびいしのさかん)、検非違使尉(けびいしのじょう)と馬の列が続きます。
検非違使は、平安時代の警察のような役職です。
でも、検非違使は、法律で定められた役職ではない令外官(りょうげのかん)ですから、私設警察といったところでしょうか。
騎馬の列が過ぎると、徒歩の列が過ぎていきます。
葵祭りの行列では、所々で馬が登場します。
こちらは、内蔵寮史生(くらりょうのししょう)の列です。
内蔵寮史生は、内蔵寮の七位の文官で、御幣物を管理しています。
大きな車輪を付けた乗り物は牛車(ぎっしゃ)です。
その名のとおり、牛が車を引いています。
牛車の屋根の部分には、多くの藤の花が垂れ下がっていてきれいですね。
こちらの馬は、頭に金色の板を付けています。
何か意味ありげな馬ですね。
本列の最後に登場するのは、風流傘(ふりゅうがさか)です。
傘の上には、牡丹やカキツバタなど季節の花が飾りつけてあります。
もう1基、風流傘がやってきました。
傘の上の黄色い花は、ヤマブキでしょうか。
斎王代列
本列が過ぎた後は、斎王代列の登場です。
花傘をさしている女性は、高級女官の命婦(みょうぶ)です。
命婦の後ろを女の子の列が過ぎていきます。
女の子が過ぎると、腰輿(およよ)に乗った斎王代の登場です。
平安時代には内親王から斎王が選ばれましたが、現在は未婚の市民女性から選ばれるため斎王代と呼ばれています。
斎王代の後ろを婦人の列が進みます。
騎馬姿の女性は、騎女(むなのりおんな)です。
斎王付きの清浄な巫女(みかんこ)で、騎馬姿のため、この名が付いたそうです。
花傘と夫人の列が続きます。
こちらは、蔵人所陪従(くろうどどころべいじゅう)の列です。
蔵人所陪従は、斎院の物品、会計をつかさどる蔵人所の雅楽を演奏する文官で、それぞれ楽器を持っています。
斎王代列の最後は、再び牛車の登場です。
この牛車は、斎王の牛車で女房車とも呼ばれています。
本列の牛車と同じように見えますが、葵、桂、桜、橘の飾りがついているところが異なっていますね。
これで葵祭の行列は終わりです。
先頭から最後尾まで、通過するのに約30分かかりました。
これくらいの時間だと、それほど疲れずに観覧できますね。