5月初旬。
京都市左京区に建つ永観堂に参拝しました。
永観堂は、「もみじの永観堂」と呼ばれているように境内に植えられているカエデが多く、秋の紅葉が美しいお寺です。
初夏は、カエデの新緑がきれいな季節。
永観堂も多くのカエデが植えられているので、今の時期には新緑を楽しめます。
諸堂に囲まれた庭園の新緑
永観堂の最寄り駅は、地下鉄蹴上駅です。
最寄り駅と言っても、北に15分ほど歩かなければならないので割と距離があります。
市バスだと「南禅寺永観堂道」で下車して徒歩約3分なので、こちらの方が便利ですね。
総門の前にやってくると、カエデが若葉をたくさんつけていました。
そして、総門をくぐり参道に入ると、塀からこぼれんばかりのカエデの新緑。
初夏の永観堂は、参道を歩くだけでも十分に新緑を楽しめます。
参道のツツジは咲き始めでした。
もっとたくさん咲いていると期待したのですが、参拝時期が少し早かったようですね。
拝観受付がある中門へ。
ここで拝観料600円を納めて境内に入ります。
そして、大玄関へと進み、ここから建物内に入って諸堂を巡ります。
古方丈を通り、瑞紫殿にやってきました。
瑞紫殿では、永観堂の映像がテレビに映し出されています。
古方丈、瑞紫殿、釈迦堂に囲まれた中庭のカエデの新緑もきれいですね。
釈迦堂の廊下にはいすが置かれてあり、そこに腰かけてのんびりと庭園を鑑賞することもできますよ。
でも、瑞紫殿の畳に座って庭園を眺める方が落ち着きますね。
釈迦堂には、様々な襖絵があり、長谷川等伯筆と伝わる竹虎図もありました。
また、左側に水の激しい流れが描かれた襖、右側に火炎が描かれた襖がある部屋もありました。
こちらは釈迦堂の南側の庭園。
この庭園も、カエデの新芽のやわらかい緑色がきれいです。
庭園の中央には高麗燈籠が置かれています。
400年以前に朝鮮半島から渡来した珍しい燈籠です。
御影堂から阿弥陀堂へ
釈迦堂から順路に従って御影堂(みえいどう)にやってきました。
それでは、御影堂の中に入ってお参りをしましょう。
御影堂の前に広がる新緑は、まさに初夏の風景であります。
御影堂の東側には三鈷の松が植えられています。
この松は、長い葉の先が3つに分かれている珍しい松です。
三鈷は、智恵、慈悲、まごころを表す言葉で、この松の葉を持っていると3つの福が授かると伝えられています。
でも、廊下から下りて拾ってはいけません。
三鈷の松を過ぎて阿弥陀堂にやってきました。
阿弥陀堂には、その名のとおり阿弥陀さまが祀られているのですが、永観堂の阿弥陀さまは、正面ではなく左後ろを見ています。
そのため、この阿弥陀さまは「みかえり阿弥陀」と呼ばれています。
昔、永観律師が修行をしている時、正面に立っていた阿弥陀さまが「永観、遅し」とおっしゃって励ましたそうです。
阿弥陀堂から元来た廊下を戻り、臥龍廊(がりゅうろう)を上って開山堂にやってきました。
開山堂からは、御影堂やその周囲に植えられているカエデの新緑を見下ろせます。
開山堂から臥龍廊を下りて、大玄関へと引き返します。
大玄関の近くに建つ唐門。
この唐門は、天皇からの使者が出入りするときに使った勅使門で、正面には真っ白な盛砂があります。
門の前に盛砂があると進めないじゃないかと思うでしょうが、勅使は、この盛砂の上を歩いて身を清めたのだそうです。
また、昔は夜の月明かりをこの盛砂に受けて「あかり取り」としても使っていたとのこと。
永観堂の諸堂には、見るべきものがたくさんあるので、一通り巡るだけで満足できますよ。
この後は、永観堂境内の新緑を見て廻ります。