大河内山荘の茶室で紅葉を観賞した後は、山荘内の散策です。
大河内山荘は小倉山の斜面に造営されているので、山を登りながら山荘内の景色を見て廻ります。
大乗閣、持仏堂、滴水庵の紅葉
中門をくぐって細い散策路を進んだ先には、黄色く染まった背の高いイチョウの木が現れます。
その近くに建つ建物は、大乗閣。
ここにも毛氈が敷かれた床几台が設置されているので、のんびりと紅葉を楽しめます。
緑色の松の木と色づいたカエデ。
落ち着きのある風景であります。
大乗閣を過ぎ、散策路を順路に従って進みます。
ところが、何をどうしたのか、散策路を逆進してしまい、いったいどこをどう歩いているのかわからなくなりました。
なので、もう一度、大乗閣の近くまで引き返しました。
今度はまちがえないようにしっかりと順路の矢印を確認しながら歩きましょう。
山荘の南側には、持仏堂が建っています。
大河内山荘は、昭和の名優大河内傳次郎が、昭和6年(1931年)に営んだものです。
大河内伝次郎は、関東大震災からの念願であった持仏堂を建て、撮影の合間にここで念仏し、瞑想し、静寂を得たことで映画創りから庭創りに芸術性を見出していったとのこと。
大河内山荘は、ここから始まったのです。
持仏堂の石庭と紅葉。
白砂と松の緑とカエデの橙色が、心を和ませてくれます。
持仏堂から少し北に行くと、苔が敷き詰められた一帯があります。
ここにも多くのカエデが植えられており、苔の上には多くのモミジが散っていました。
奥には、滴水庵という味わい深い建物があります。
この辺りは、秋のもの悲しさを感じさせる紅葉風景が漂っていましたよ。
展望台から眺める紅葉風景
滴水庵から山を西に登ると、嵐峡展望台があります。
ここから望む嵐山は、まるで、目の前に迫ってきているかのような迫力です。
嵐山も秋色に染まっています。
嵐山の中腹に見えるお堂は、大悲閣です。
ここから見ると、大悲閣が険しいところに建っているのがよくわかります。
イチョウの黄葉も見ごろですね。
きっと、大悲閣に参拝されている方も、大河内山荘を眺めていることでしょう。
嵐峡展望台の次は、まっすぐに北に向かいます。
上り坂の頂上まで来ると、月香と呼ばれる建物が建っています。
ここは、市内展望台となっていて、京都市街を一望できます。
常寂光寺、二尊院、法輪寺からも京都市街を展望できますが、大河内山荘の月香はそれらよりも高い位置にあります。
遠くに望む比叡山。
真下には見ごろ迎えた紅葉。
この景色は、十分に拝観料1,000円の価値があります。
山荘内のすばらしい紅葉風景を楽しんだので、そろそろ山を下ります。
出口付近には、大河内伝次郎の記念館もあるので、こちらも見ておきましょう。
時刻は午後4時。
薄暗くなってきた山荘内をもう一度眺めて外に出るのでした。
大河内山荘は茶席の近くは人が多かったですが、散策路にはあまり人がいないので、それほど混雑していませんでした。
また違う季節にも大河内山荘を訪れたいですね。