京都市下京区に建つ西本願寺は、京都駅から近い世界遺産に登録されている寺院です。
旅行で京都に来たとき、すぐに見に行けるのが西本願寺ですし、帰りにちょっと時間がある時に見に行けるのも西本願寺です。
観光客の方にとって、これほど便利な場所にある世界遺産はそれほど多くないでしょうね。
2月下旬。
その西本願寺に参拝してきました。
忘れずに見ておきたい唐門
西本願寺は、京都駅から北西に15分ほど歩いた辺りに建っています。
境内の東の堀川通の歩道わきが、赤くなっていました。
花が咲いているのかと思ったのですが、赤い葉でした。
もともと赤い色をしているのか、それとも紅葉しているのか、どちらなのかわかりませんが、赤色が一直線に延びている風景は、春が近づいているのを感じさせます。
西本願寺に参拝した時には、国宝の唐門を見ておきたいですね。
唐門は、境内の南側にあります。
唐門は装飾が見事で、日が暮れるまで飽きずに見続けられるということから、日暮門とも呼ばれています。
ちなみに京都市内で国宝に指定されている唐門は、大徳寺と豊国神社にもあります。
御影堂の沓石
唐門を鑑賞した後は、再び堀川通に戻り、阿弥陀堂門から境内に入ります。
阿弥陀堂門の先には、大きな阿弥陀堂が建っています。
誰でも中に入ってお参りできますので、西本願寺に訪れた時は阿弥陀堂の中に入りましょう。
阿弥陀堂の南側に建つ御影堂(ごえいどう)。
御影堂は阿弥陀堂よりも大きな建物で、親鸞聖人の木造が安置されています。
御影堂の前には四角の石が置かれています。
屋根から柱のようなものが石に向かって伸びています。
おそらく、屋根から落ちてくる雨水を下の石で受けるようになっているのでしょうね。
その四角の石の四隅には台座があるのですが、この台座がなかなか興味深いのです。
人が中腰になって、背中で石を支えています。
これは何かの修業なのでしょうか。
御影堂にも上がることができますから、中でお参りをしておきましょう。
そして、ついでに御影堂を支えている柱もじっくりと見ておきましょう。
柱の下には、柱を支えている沓石(くついし)が置かれています。
石と言いながら木じゃないかと思うでしょうが、よく見ると木は石を覆っているだけです。
木の隙間から中を覗くと、しっかりと石が柱を支えているのがわかります。
沓石は、柱の束柱(つかばしら)を受けるために用いられる石で、根石や柱石とも呼ばれています。
西本願寺の沓石は、もともとはざくろの木で造られたものだったそうですが、江戸時代末期に親鸞聖人六百回大遠忌(だいおんき)を迎えるにあたって修理が行われ、石が使われるようになりました。
木では腐る可能性があるからです。
でも、昔の面影を残すために表面を厚さ3cmの木で覆ったと伝えられています。
西本願寺は、大きなお堂に目を奪われがちですが、こういった細部にもさまざまな工夫が施されているので、参拝した時には見ておきたいですね。
御影堂の前に植えられている大きなイチョウは、まだ冬の姿をしています。
秋になれば金色に輝いた姿を見せてくれますが、まだまだ先ですね。
参拝を終えたので境内から出ることに。
最後に北の空と阿弥陀堂を見上げました。
なお、西本願寺の詳細については以下のページを参考にしてみてください。