毎年6月15日に京都市東山区の智積院(ちしゃくいん)で、青葉まつりが行われます。
青葉まつりは、真言宗の宗祖である弘法大師空海と中興の祖である興教大師覚鑁(こうぎょうだいしかくばん)の生誕を祝う行事です。
なお、空海は宝亀5年(774年)6月15日生まれ、覚鑁は嘉保2年(1095年)6月17日生まれで、両大師がお生まれになった頃は新緑が美しい季節ということで、青葉まつりと称しています。
御集印をしながらお堂巡り
智積院は、京阪電車の七条駅から東に5分ほど歩いた辺りに建っています。
入口付近は、青葉まつりを見に来た参拝者やお坊さんたちで賑わっていました。
私が訪れたのは午前11時過ぎ。
すでに柴燈護摩の法要が行われており、柴燈護摩道場周囲は立ち上る炎で暑くなっていました。
冬なら体が温まって良いのですが、さすがに6月だと暑いですね。
40度ほどあったのではないでしょうか。
さて、青葉まつりの日は、金堂、明王殿、講堂、大師堂、密厳堂の5ヶ所にお参りするお堂巡りに無料で参加できます。
入口でいただいた御集印帳がこれ。
せっかくですから、私もお堂巡りに参加しました。
阿弥陀如来を本尊とする講堂
お堂巡りは、どのお堂からでも始められます。
なので、最初は名勝庭園を鑑賞するために講堂へ行くことに。
名勝庭園の入り口の奥に建つ大きな建物が講堂です。
講堂の本尊は阿弥陀如来。
西方浄土から無限の光で人々を救ってくださるのが阿弥陀さまです。
阿弥陀さまの名をとなえれば極楽往生に導いてくれると、深く信仰されていますね。
講堂へのお参りを済ませ、御集印帳の左下の「阿弥陀如来」と印字された部分に御朱印を押印してもらいました。
弘法大師を本尊とする大師堂
講堂に続いて大師堂にお参りです。
大師堂には、その名の通り弘法大師さまが祀られています。
弘法大師と聞くと、東寺や高野山をすぐに思い浮かべる方も多いはず。
遣唐使として唐に渡り、彼の地から真言宗を持ち帰って国内に広めたのが空海ですね。
私が大師堂に訪れた時は、えらいお坊さんによるありがたい法話が行われていましたよ。
御集印帳の右に印字された「弘法大師」のところに御朱印を押していただきました。
興教大師を本尊とする密厳堂
大師堂の次は、密厳堂へ向かいました。
普段は、中に入ることができないのですが、この日は堂内でお参りできるようになっていました。
本尊として祀られているのは、興教大師さまです。
興教大師は、荒廃していた高野山を再興したことで知られています。
晩年は根来に移り、多くの弟子たちに教義を講義し阿字観(あじかん)などの瞑想を指導したとのこと。
密厳堂でも、えらいお坊さんによる法話が始まっていました。
お金が欲しいといった小さな欲を持たず大きな欲を持ちましょうと、おっしゃられていましたよ。
また、堂内では小さな興教大師さまに甘茶をかけてお参りしました。
そして、御集印帳の左の「興教大師」に御朱印をいただきました。
不動明王を本尊とする明王殿
4番目は、境内の南東に建つ明王殿へ。
不動明王は、とても怖い顔をしています。
私たちの悪い心を砕き、常に寄り添って善い心、正しい心が揺れ動かないように強く導いてくださる仏さまです。
あらゆる災難や苦難を打ち砕き、人々を守護して幸福に導いてくれる「お不動さん」は、広く信仰を集めていますね。
明王殿では、福引も行われていました。
でも、福引券をどこで入手すればよいのかわからなかったので、今回は御朱印をいただくたけに。
ということで、御集印帳の右下の「不動明王」のところに御朱印を押していただきました。
大日如来を本尊とする金堂
最後は、境内で最も目立つ金堂にお参りです。
金堂に祀られているのは大日如来さまです。
智積院に参拝した時には、いつも金堂にお参りをしています。
大日如来は、智慧と慈悲の光があまねく行きわたることから、太陽よりも大きな存在、宇宙・生命の根源として信仰されています。
金堂内には、金色のお姿の大きな大きな大日如来さまがいらっしゃいますよ。
それでは、堂内で大日如来さまにお参りです。
これで、大いなる智慧の光を授かれたことでしょう。
そして、御集印帳の中央に印字された「大日如来」に御朱印をいただきました。
金堂の上から眺めた境内。
青葉まつり当日ということもあり、新緑が青々として美しいですね。
参道には、お店もたくさん出ていましたよ。
綾部市から来ているお店もありました。
同じ京都府内ではありますが、綾部市は北の方にあるので、京都市内に来るのには時間がかかったことでしょう。
完成した御集印帳がこちらです。
そして、御集印帳が完成すると、身代わり不動の「身代わり札」のお守りをいただけます。
このお札があれば、降りかかる災難や苦難をお不動さんが打ち砕いてくれることでしょう。
ちなみにお守り袋は、明王殿で授かれます。
初穂料は500円から1,000円です。
なお、智積院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。