京都市東山区の建仁寺の境内に霊源院という塔頭(たっちゅう)寺院があります。
普段は10名以上の団体なら予約をすれば写経や坐禅などを体験できますが、個人で祇園界隈を散策している時は、ただ山門の前を素通りするだけです。
でも、2015年5月17日から6月14日まで、霊源院にある甘露庭という庭園が一般公開されます。
甘露庭では、甘茶の花が見れるということなので、6月初旬に霊源院を訪れました。
見ごろを迎えた甘茶の花
霊源院の最寄駅は、京阪電車の祇園四条駅です。
駅から南東に10分も歩けば建仁寺の境内に到着します。
霊源院は、建仁寺の境内の南東の角にあるので、さらに3分ほど歩かなければなりません。
建仁寺境内には、いろんな所に霊源院の甘露庭初公開の案内があります。
そう、甘露庭は初公開なんですね。
この機会を逃すと、次の公開があるのかどうかわかりませんから、もしかすると一生拝観できない可能性もあります。
入口の山門前に到着。
山門をくぐると正面に玄関があります。
入口には「妙喜世界」の文字が書かれた額がかかっています。
霊源院は、龍山徳見和尚が創建した霊泉院と中巌圓月和尚が創建した妙喜世界が、合併してできたお寺です。
ちなみに霊泉院は合併前から霊源院と称しており、妙喜世界も合併前には妙喜庵と称していました。
また、霊源院は建立当時から現在の総合大学の機能を有しており、建仁寺の学問面を代表する寺院だったそうです。
玄関で拝観料500円を納めて建物の中に入ります。
そして、中巌圓月和尚の像にお参りを済ませて、甘露庭を鑑賞するために部屋の奥の縁側へ向かいます。
庭園では、たくさんのガクアジサイが満開となっていました。
いえ、実はこのガクアジサイのように見えるのが、甘茶の花なのです。
甘茶もアジサイの仲間で、ガクアジサイが変種した植物と言われています。
だから、見た目がガクアジサイそっくりなんですね。
縁側に座って庭園を眺めていると、ガクアジサイの甘い香りがほのかに漂ってきます。
その香りに癒されたのか、他の拝観者の方が縁側でのんびりとしていましたよ。
甘露庭は、散策もできます。
ただ、それほど広い庭園ではないので、あまり長い時間うろうろとしていると、他の拝観者の方の迷惑になるので、散策はできるだけ短時間で終わらせた方が良いでしょう。
それにしても、どこを見ても、甘茶の花でいっぱいです。
6月6日、7日、8日にはライトアップもされ、蛍の放生会も催されるそうです。
下の写真に写っている物は、その時の灯りに使われるのでしょうか。
青色の甘茶の花が五輪塔とよく似合っています。
庭園の奥にある灯籠の近くでは真っ白なクチナシの花も咲いていましたよ。
お庭の隅では、小さなお地蔵さまもいらっしゃいました。
合掌。
甘露庭を拝観したのも、甘茶の花を見たのも今回が初めてでした。
もしかしたら、甘茶の花はガクアジサイと勘違いして他の所でも見ている可能性はありますが。
玄関前では、布袋さまが甘茶の花に囲まれてにっこりとほほ笑んでいましたよ。
なお、霊源院の詳細については以下のページを参考にしてみてください。