京都市東山区に建つ高台寺は、豊臣秀吉の正室のねねが晩年を過ごした地です。
そのためか、境内や建物内は、どことなく女性的な雰囲気があるというのか、上品さを感じさせます。
高台寺は、春の桜が有名ですが、秋の紅葉時期も拝観者が多いお寺です。
では、桜と紅葉のどちらがきれいなのでしょうか。
そう聞かれると非常に悩むのですが、この記事で、甲乙つけることにしましょう。
高台寺の桜
高台寺には、鐘楼付近にソメイヨシノが数本植えられていますが、見るべき桜はなんと言っても方丈前庭に植えられている1本の枝垂れ桜ですね。
日差しを浴びると、ピンク色の花が少し紫がかったように見えます。
枯山水の庭園にただ1本の枝垂れ桜。
派手好きだった豊臣秀吉とは違い、妻のねねは上品な印象があります。
その上品さをこの枝垂れ桜から感じることができますね。
拝観者は、方丈の中から枝垂れ桜を観賞することになります。
誰もが、この枝垂れ桜に見とれ、しばらくの間足が止まります。
別の角度から見ると、ボリューム感がありますね。
1本の枝垂れ桜をじっくりと味わうのが、春の高台寺参拝の醍醐味と言えるでしょう。
高台寺の紅葉
秋の高台寺は、台所坂と呼ばれる石段の両脇のモミジが参拝者を出迎えてくれます。
拝観受付近くにある庫裡の周りでも、鮮やかな紅葉を見ることができ、多くの人が吸い込まれるように境内に入っていきます。
受付を済ませて進んだすぐの場所からは、紅葉と供に東山一帯を眺めることができます。
この景色は見事ですね。一度は見てもらいたい風景です。
方丈から眺める紅葉もきれいです。
庭園には多くのカエデがありますが、密集するようには植えられていません。
それがどことなく上品さを感じさせてくれます。
臥龍池の周囲の紅葉も美しいですね。
晴れた日に水面に映るモミジも鮮やかな赤色。
さらに傘亭や時雨亭(しぐれてい)が建つ高台から見下ろす紅葉風景や京都市街の眺めも、とても気持ちいいですね。
秋の高台寺は、境内のどこでも紅葉を楽しめるようになっているので、飽きることがないです。
また、広々としているので、拝観者が多いときでもゴミゴミとした感じがないのもいいですね。
それでは、高台寺の桜と紅葉のどちらがきれいか判定します。
境内全体で紅葉を楽しめることから秋の高台寺をおすすめしたいところですが、春の桜の勝利としましょう。
紅葉も捨てがたいのですが、やはり、1本の枝垂れ桜をじっくりと味わえる名所は、高台寺の他にはないですからね。
他にも1本だけ枝垂れ桜が植えられているところはあることはあるのですが、高台寺のような上品さがありません。
ということで、高台寺は秋の紅葉よりも春の桜の時期に拝観するのがおすすめです。
でも、紅葉もきれいなので、春だけでなく秋にも参拝したいですね。