方角や方位による災いをよけることを方除けといいます。
引っ越しや旅行で、知らない間に悪い方角に行ったり、家の増改築で悪い方位の工事をしなければならない場合に災いが起こるのを防ぐために方除けの祈願をします。
神社に行けば、方除けの祈祷をしてくれますが、せっかく方除けのお祓いをしてもらうのなら、方除けで有名なところに参拝しておきたいですよね。
ということで、今回の記事では、方除けのご利益を授けてくれる神社とお寺をいくつか紹介します。
城南宮
京都の神社で、方除けのご利益を授けてくれる最も有名な神社は、京都市伏見区の城南宮です。
城南宮の創建には諸説ありますが、平安遷都(794年)の際に王城鎮護のために都の南の守護神として創建されたと伝えられています。
また、古くから、城南宮で、住居を清める御砂、方角の災いを除く方除御札を授かる習慣もあります。
都を守護するための神社ですから、参拝しておけば、方除けのご利益を大いに授かることができそうですね。
毎年4月第2土、日には、方除大祭が行われ、神賑行事として郷土芸能が奉納される他、嵯峨御流華道花展もあります。
現在では、交通安全の神さまとしても崇敬されていますよ。
大将軍八神社
京都市上京区に建つ大将軍八神社は、それほど境内は広くありませんが、方除けのご利益を授けてくれることで有名です。
桓武天皇が平安遷都の際に奈良の春日から勧請(かんじょう)した大将軍のひとつです。
大将軍とは、陰陽道でいう太白の精で、方位を司る神さまのことです。
城南宮と同じく、都を守るために創建された神社なので、大いに方除けのご利益を期待できそうですね。
玄武神社
京都市北区の船岡山の近くに建つ玄武神社も方除けのご利益を授けてくれます。
玄武とは、朱雀、青龍、白虎とともに天の四方を司る四神のひとつで、北の守護神です。
平安京は、四神に守られた縁起の良い場所に造営された都です。
都の北を守護したのが船岡山で、これを玄武に見たてたんですね。
なので、船岡山近くに建つ玄武神社にお参りをすれば、方除けのご利益を授かれることまちがいないでしょう。
ちなみに玄武神社の後ろには大きなマンションが建っています。
縁起が良さそうですね。
赤山禅院
京都市左京区の赤山禅院は、商売繁盛のご利益で有名ですが、方除けのご利益も授けてくれます。
赤山禅院が建つ地は、都の東北の表鬼門にあたります。
また、本尊の赤山大明神は、陰陽道の祖神とされていることから、赤山禅院は都の表鬼門を守護するお寺として信仰されるようになりました。
拝殿の屋根の上には、鬼門除けの猿もいますよ。
大原野神社
藤原氏の氏神である大原野神社も方除けのご利益を授けてくれます。
京都市西京区に建つ大原野神社は、平安京の裏鬼門にあたる西南に位置していたため、京都御所を守る社として信仰されてきました。
久我神社
京都市伏見区の久我神社(こがじんじゃ)は、あまり有名な神社ではありませんが、方除けのご利益を授けてくれることで知られています。
久我神社は、桓武天皇が長岡遷都(784年)を行った頃、王城鎮護を目的として創建されました。
平安京ではないですが、久我神社も都を守るために創建されたわけですから、参拝しておけば、大いに方除けのご利益を期待できそうですね。
引っ越しの予定がある方、家を新築・増改築される方、旅行を計画されている方は、この記事で紹介した神社に方除けの祈願をしておけば、安心できるのではないでしょうか。