京都には、いわゆる心霊スポットと呼ばれているところが、いくつかあります。
有名なところでは、北区の深泥池(みどろがいけ/みぞろがいけ)がそうですね。
深泥池は、面積約9ヘクタール、周囲約1.5kmの池です。現在でも氷河時代以来の動植物が生息しているそうです。
ところで、なぜ深泥池が心霊スポットとして有名になったのでしょうか。
鬼の出入り口だった深泥池
下の写真に写っているのが深泥池です。
水面が鏡のようになって、空が映り込んでいます。
昼に訪れると、それほど怖そうな池には思えません。
ただ、池の周囲に柵のような囲むものがないので、ちょっと危険ですね。
深泥池が心霊スポットと言われるようになったのは、ここから北にある貴船と関係があります。
古くから貴船の奥には鬼が住んでおり、その鬼が、貴船と地下でつながっている深泥池を出入り口として利用していたと伝えられています。
実際に貴船と深泥池が地下でつながっているのかどうかはわかりませんんが、この言い伝えが、深泥池を心霊スポットとして有名にする基礎となっているのでしょう。
ちなみに鬼を退治するために村人が豆を深泥池に投げ込んだところ、鬼が現れなくなったという伝説が、現在の節分の豆まきにつながったと伝えられています。
タクシードライバーが遭遇した女性の幽霊
鬼の伝説が残っているせいか、深泥池近くでタクシーに乗った女性が、いつの間にか消えてしまうという噂が流れるようになりました。
その経験をしているタクシードライバーは、何人もいるということで、女性が乗っていた後部座席は、びっしょりと濡れていたそうです。
こういった話は、他の地域でもよく聞かれますが、タクシーの乗客が消えてしまうという怪談話は、深泥池が発祥とされています。
他にも自動車が、夜に深泥池に突っ込むという事故が起こったこともありました。
先にも述べましたが、池の周囲には、柵のようなものがないので、夜は運転を誤って池に入ってしまうということもありそうです。
しかし、ライトを点けていれば、池があることに気づきますから、居眠り運転でもしない限り、池に突っ込むということは、ちょっと考えにくいですね。
深泥池は、鬼の住む貴船と地下でつながっているという言い伝えがあると述べましたが、実はつながっているのは、三途の川で、その畔から女性の霊がこっちに来いと手招きしていたのかもしれません。
そして、それを見た運転手が、池に向かってハンドルを切ってしまったのではないでしょうか。
考えるだけで、ゾッとしますね。
夜には、近づかない方が良さそうです。