10月になると、京都市山科区に建つ大乗寺のスイフヨウが見ごろを迎えます。
スイフヨウは、朝は白色で夕方になると赤色になるというちょっと変わった花です。
そのスイフヨウが1,500本も境内に植えられているのが大乗寺で、京都では酔芙蓉の寺と呼ばれています。
見ごろにはやや早い状況
大乗寺は、地下鉄御陵(みささぎ)駅から10分ほど歩くと到着します。
少しきつめの坂を3分ほど上っていくと、白色とピンク色の花をたくさん付けたスイフヨウが現れます。そこが大乗寺の入口です。
近くに同じようなスイフヨウを植えている民家があるので、そこと間違えないようにしてください。
入口から急な石段を上り、門の前に到着。
スイフヨウの観賞は300円の志納制となっています。
他の拝観者の方とお話をして知ったのですが、大乗寺は檀家がいないため、お寺の維持が難しい状況になっているそうです。
最近では、地元の新聞やテレビのニュース、旅行会社のパンフレットなどでも、大乗寺が紹介されることが多くなってきており、拝観者も増えているようですが、それでも、檀家なしでは厳しいのではないでしょうか。
いつまでもスイフヨウを楽しめるように、参拝した時には、ぜひ志納をお願いします。
御堂の隣に左右に分かれた道があり、その道を区切るようにスイフヨウがたくさん植えられています。
スタートは右からで、奥まで進んだ後は、左の道から帰ってきます。
私が訪れたのは、午後1時ころだったので、まだ花は白色がほとんどでした。
咲いている花は、全体の半分もないような状態でしたが、それでも、十分に楽しめる量でしたよ。
前日に咲いた花は、赤く丸まっていました。
ちょうど半分ほど進んだ辺りに脚立が置いてあります。
この脚立に乗って、上から敷地を眺めると、まるで雲海のようにスイフヨウが広がっていました。
これはなかなか見事な眺めなので、訪れた時は、脚立の上からスイフヨウをご覧になってください。
ピンク色の花があるか探してみたのですが、やはり時間が早いため、白色の花ばかりでした。
下の写真に写っているスイフヨウだけ、白色にピンク色が混ざっていました。
でも、この花は、しっかりと開いていませんでした。
ちょっと残念です。
奥まで進むと石塔が建っています。
この石塔が折り返し地点で、その隣には、縁結びの観音様が祀られています。
観音様の前には、白色と赤色のスイフヨウの花が供えられていました。
帰り道に植えられているスイフヨウは、ほとんどがつぼみの状態。
下の方に何やら赤いものがあるので、近くに寄ってみると、ヒガンバナが隠れるように咲いていました。
帰り道には、光孝天皇と源宗于(みなもとのむねゆき)の歌碑が置かれています。
君がため 春の野にいでて 若葉つむ わが衣手に 雪は降りつつ(光孝天皇)
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば(源宗于)
歌碑には上のように刻まれています。
光孝天皇の歌は、「春の早い時期に臣下のために若葉をつみに行ったら、着物の袖に雪が降り続いていたよ」といった内容です。
また、源宗于の歌は、「山里は冬になると寂しさが一層強く感じられる。人の行き来もなくなり、草木も枯れてしまうと思うと」といった内容です。
他にも日蓮聖人の歌碑もありましたよ。
10月初旬の大乗寺は、まだスイフヨウが咲いて間もなかったようで、半分ほどしか咲いていませんでした。
つぼみがまだまだたくさん残っていたので、10月10日頃には、良い感じになっているのではないでしょうか。
なお、大乗寺の詳細については、以下のページを参考にしてみてください。