6月下旬。
京都市右京区の嵯峨野に建つ鹿王院(ろくおういん)を訪れました。
季節的なものもあったのでしょうが、鹿王院は、観光名所がずらりと並ぶ渡月橋付近から、離れた場所に建っているため、参拝者は私を含め3組だけでした。
苔とカエデの葉で緑色になった参道
鹿王院は、JR嵯峨嵐山駅から南に8分ほど歩くと到着します。京福電車の鹿王院駅からだとすぐです。
このお寺の山号は、「覚雄山」で、山門には、足利義満の筆による扁額がかかっています。
創建は、康暦2年(1380年)のことで、足利義満が建立。義満の扁額がかかっている理由がわかりました。
山門をくぐると、細長い参道がまっすぐと延びています。
参道の両脇の地面には苔がびっしりと敷き詰められ、カエデの葉とともに緑色の空間を作り出していました。
少し汗ばむ梅雨時ですが、鹿王院の参道をゆっくりと歩いていると、体がひんやりとしてきます。
早いもので、葉が黄色からオレンジ色へと色付き始めているカエデがありました。
まだ、夏にもなっていないんですけどね。
参道の先には、玄関があります。
ここで拝観料300円を納め、建物の中に入ります。
庭園と諸堂
受付を済ませて最初に向かうのは客殿です。
客殿の前には、庭園が広がり、その奥には、舎利殿が建っています。
雨の日が続いたためか、苔がみずみずしいですね。
木々の葉もいきいきとしています。
鹿王院の庭園は、室町時代に作庭されたものがあったのですが、廃絶しています。現在、客殿の前に広がっている庭園は、宝暦13年(1763年)に造られたものです。
縁側に座って、しばらく庭を観ながら休んだ後、本堂に向かいました。
本堂内には、本尊の釈迦如来像や十大弟子像などが祀られています。
他に足利義満像も安置されていましたよ。
本堂から見た庭園。
サツキの刈込がいくつかありましたが、残念ながら、訪れた時期が遅かったため、花は咲いていませんでした。
本堂にお参りをした後は、舎利殿に入りました。
舎利殿内には、鎌倉時代に源実朝が宋の国から招来した仏牙舎利を納めた多宝塔が安置されています。
また、建物内の壁には、仏陀の弟子である羅漢の絵が何枚もかかっていました。
こういった宝物を鑑賞することができて、拝観料が300円というのは、他の寺院と比較すると、かなり安いですね。
舎利殿にお参りした後は、再び客殿に戻り庭園を鑑賞。
舎利殿の右後ろにそびえているのは、嵐山です。
嵐山を借景としているわけではなさそうですが、良い眺めですね。
庭園の苔をアップで撮影しました。
落ち着きのある緑色です。
庭園の鑑賞を終えて、玄関から外に出ると、萩が咲き始めていました。
9月になれば、華やかになっていることでしょう。
そして、長い参道をゆっくりと進み、山門まで戻ってきました。
秋になれば、参道は真っ赤なモミジで埋め尽くされるんでしょうね。
なお、鹿王院の紅葉の写真は、「ヒトミの温泉グルメ日記 in関西」さんの下記記事に掲載されていますので、ご覧になってください。
少しの間、もう一度参道を眺めて、鹿王院を後にしました。